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安倍政権が「コロナ減税」にマジになってきた…菅官房長官の発言の深層

日本経済には「消費税減税」しかない

「消費税減税」という有効な選択肢

新型コロナウイルスの新規感染者が7月29日、全国で1260人確認され、過去最多を記録した。そんな中、マスコミ各社は菅義偉官房長官の消費税減税に関する発言を「減税に慎重」と報じた。それでは、読み方が違うだろう。私は、逆に「減税も視野に入れた」とみる。

新規感染者は7月に入って、東京都に加え、大阪府や愛知県など他の大都市でも急増した。30日には、東京で367人と過去最多を更新した。心配されていた感染「第2波」が到来したのは確実だ。第1波を上回る「感染爆発」状態になる可能性もある。

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重症者や死者の数が増えていない点をとらえて「コロナが弱毒化したのではないか」という見方もあるが、私が話を聞いた大学教授は「第1波の経験から、医師が早めに対症療法を施すようになっただけ。ウイルスが弱毒化した証拠はない」と否定的だ。

重症者数や死者数は新規感染者数の後に増える「遅行指数」なので、これから当然、増えてくる、という見方もある。感染してから発症するまでの潜伏期間を最大2週間と考えれば、23~26日の4連休での感染者が出てくるのは、今週末から来週にかけてだ。

さて、となると、政府は感染急増にどう対処するか。緊急事態宣言の再発令や給付金の再支給などがとりざたされているが、今回は消費税減税に注目が集まっている。自民党内には、かねて減税を求める声があり、私も「減税を検討すべきだ」と主張してきた(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/71414)。

景気を支える財政政策は本来、財政支出の拡大と減税の2通りがある。

実際、ドイツは7月1日から年末までの半年間、日本の消費税に相当する付加価値税の標準税率を19%を16%に引き下げた。英国も15日から飲食や宿泊などの税率を20%から5%に下げた。その他の欧州国も、同じように一部業種に限ってはいるが、追随している(https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-07-24/2020072401_01_1.html)。

だが、日本では財政出動と言えば、財政支出拡大ばかりが多用され、減税はごく小粒でしか実施されてこなかった。支出拡大なら全体の財政規模が大きくなるが、減税だと逆に小さくなる。官僚は本能的に財政規模が小さくなるのを嫌う。

大きな政府なら、官僚の権限と差配余地が拡大し、天下り先も増えるが、小さな政府だと逆に権限は縮小、天下り先も減ってしまうからだ。取材源である霞が関べったりで、官僚に嫌われたくないマスコミも、そんな考えに同調してきた。

それを思えば、自民党内でも減税要求勢力が勢いを増してきたのは、一昔前には考えられなかった事態である。それほど、コロナの威力は強大なのだ。首相官邸も第2波がひどくなればなるほど、減税を真剣に考えざるをえない状況に追い込まれつつある。

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