コロナで大逆境の「木下サーカス」、一人もクビにせず「奇跡の復活」へ…!

世界のサーカスが潰れるなかで…
山岡 淳一郎

木下家の経営訓は、「一場所(興行場所の選定)、二根(営業の根気)、三ネタ(演目)」である。肝腎の場所は、立川の不動産開発会社・立飛ホールディングスの好意で7月中旬に確保し、8月1日からのソフトオープンにこぎつけた。しかし、コロナ禍で各方面への営業は出遅れている。

クラウドファンディングを開始し、集まった資金は、今後の動物の飼育や設備のメンテナンスに投じ、一部は医療者に寄付する予定だ。木下社長は、「コロナ予防を徹底する」と言葉に力をこめた。

 

「多摩地域の皆さまに受け入れていただくには、何よりもコロナ対策。サーモグラフィでお客さまの体温チェック、マスクは必ずつけていただく。手指消毒もこまめにして、テント内の換気は、スウェーデン製の業務用換気扇34台とエアコンで法定数値の1・8倍で臨みます。

休憩中は4か所の出入り口を全開放。収容人員は900人に限定し、前後左右の間隔を1~1・6メートルあけて対処します。ステージとステージの間に、スタッフ、アーチスト全員で観客席の消毒、清掃をします。何度も予行演習をして本番に備えているんです。公演の途中での中止は、何としても避けたいですからね」

見えない敵、コロナとの戦いが続く。木下サーカスは、大家族的一体感で次の時代の扉を開こうとしている。