おへそにこそ個性が出る(photo by iStock)

ようこそ「へそワールド」へ!女子大生が最も気にするのはへその●●

あなたの知らない「へそ学」の世界(1)
今や「へそ」には「美しさ」が求められており、医療現場でも、見た目の観点での治療がなされているといいます。そんな「へそ」の謎を総合的に解明する「へそ学」の第一人者である北海道教育大学教授・岡田忠雄先生が、人々の「へそ」への意識や、意外なへその役割をひたむきに説き明かします。

「へそモンスター」の訴え

へそは「腹部の真ん中の小さなへこみ。さい帯の取れた跡。」(『広辞苑』第6版)とされ、何故かへこんでいて美しい形を望まれると思います。

へそは哺乳動物のみに存在しますが、私の飼い犬のへそは米粒大で、へこんでいません。同じ哺乳動物なのに人はへこみ、犬ではへこんでいない、不思議ですね。

小児外科医が多く診る「へそヘルニア」の治療の目的は、へそが1円玉くらいに腫れたりするヘルニアを治すこと(ヘルニア根治術)ですが、同時に「へその形」を整容的にきれいに作ること(形成術)が求められます。

 

小児外科医としての私の経験として、手術で作り上げたへそが、子どもの成長後にもその子やご家族が満足できるかをイメージすることも必要であり、へその形を手術できれいに整えることは工夫が求められ、結構、大変でした。

また、我が子のへその形に強い思いがある両親もおられて、ある時、「これは自分がイメージしていたへそと違う!」と強い口調でいわれ、説明に長時間を要したこともあります。ある意味、へその形として「へそパーフェクト」(著者造語)を求められる「へそモンスター」(著者造語)のような空気を感じたことさえありました。

ところで、私が医学生だったとき、さい帯ヘルニア(へその緒の中に、胃腸や肝臓が入った状態で緊急手術が必要)の赤ちゃんの手術について講義があり、この病気では繊細な治療が必要で、ときに命に関わると教えられたことを今でもしっかりと覚えています。このときのインパクトが小児外科医を目指す契機になり、へそを極めたいと熱い思いを持つようになりました。

日本で唯一、へそを学術的に学ぶ会として「日本小児へそ研究会」(平成27年発足で毎年開催)があり、とても勉強になります。私自身の経験も含めて、へその歴史や解剖・生理、そして美容的なものや医学的データも示しながら、「へそ学」として、へその謎をわかりやすく述べていきたいと思います。

女子大生は「ゴマの有無」が気になる

さて、女の子がへそを意識し始めるのはいつごろだと思いますか?

著者のアンケート結果では、小・中・高・大学生の時にへその形を意識したのは9人(14.8%)であり(図1:著者ら、小児外科50、2018:東京医学社転載許諾)、その時期は早ければ幼稚園からが2人いました。結構早いですね。

また、幼稚園、小学生、高校生の時がそれぞれ2人ずつ、中学生の時が3人であり、自分のボディーイメージを強く意識し始める思春期の前の、幼稚園や小学校の時から自分のへその形を気にしている者が4人いたことは意外でした。

女子大生が日頃接触する家族、友人、異性にへその形を指摘されたかを聞いたところ、1人(1.6%)が家族に指摘され、その1名は、「へそ美容」に興味が湧き、入浴中にへそをよく洗い、ゴマをとるようにしてへそ美容に努めていました。

たとえ家族からであっても、へその形を指摘されると、へそ美容に目覚めるともいえる気がします。

具体的に、へその形で気にする因子では、39人(64.7%)と半数以上の女子大生が何らかの因子を挙げていました(複数回答)。

内訳は、ゴマの有無31人(51%)が最多であり、色調22人(36%)、細長い形12人(20%)、陥凹11人(18%)の順であり(図2:著者ら、前述:東京医学社転載許諾)、へその形状もさることながら、ゴマや色調のことも気にしていることも特徴といえます。