アメリカの言いなりでは「日本は軍事大国化してしまう」という現実

「戦場」としての宇宙をどう考えるか
半田 滋 プロフィール

「米国との連携」という願望

実は、政府は衛星コンステレーションをめぐり、米国と連携する方針をすでに打ち出している。政府の宇宙開発戦略本部の会合が6月29日に開かれ、今後10年間の日本の宇宙政策を定める「宇宙基本計画」が5年ぶりに改定された。

宇宙安全保障で米国との連携を打ち出した宇宙基本計画

米国、欧州、ロシア、中国では宇宙空間を「戦闘領域」「作戦領域」とみなす動きが広がっているとし、「宇宙システムの利用なしには、現代の安全保障は成り立たない」と断定した。そのうえで「小型衛星コンステレーションについて米国との連携を踏まえながら検討を行い、必要な措置を講ずる」と米国との連携を初めて盛り込んだ。ただ、「米国との連携」は現状では日本側の一方的な願望に過ぎない。

それにしても宇宙をめぐる政策は劇的に変化した。日本は1969年の国会決議で宇宙の平和利用を定め、自衛隊による衛星利用などを制限してきた。2008年の宇宙基本法制定で安全保障分野に道を開いたとはいえ、今回の宇宙基本計画の改定により、明確に宇宙を「戦場」としたのだから、安全保障政策の大転換といえるだろう。

まさにスター・ウォーズの世界が現実化しようとしている。

 

防衛省は宇宙を監視するための「宇宙作戦隊」を今年5月、航空自衛隊府中基地(東京都府中市)に発足させた。さらにロシアや中国が開発中の衛星破壊を目的とした「キラー衛星」を監視するための宇宙監視レーダーを山口県山陽小野田市に建設中だ。

宇宙作戦隊の隊旗を授与する河野太郎防衛相(防衛省のホームページより)

一方、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は望遠鏡を搭載した監視衛星の打ち上げを計画しており、宇宙監視レーダーと合わせて効率良く宇宙空間を監視する体制が整うことになる。