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アメリカの言いなりでは「日本は軍事大国化してしまう」という現実

「戦場」としての宇宙をどう考えるか

防衛省の「奇策」

米軍が駐留する各国の中で、世界一の負担額となっている在⽇⽶軍関係経費。この経費のうち、来年3⽉で期限切れとなる基地従業員の給料や基地の光熱⽔料などを含む特別協定をめぐり、この秋から⽇⽶防衛当局者による交渉が本格化する。

大幅な負担増を求めるのが確実な米国防総省に対し、防衛省はある「奇策」をもって臨むことを検討している。

奇策とは日米両政府の関心事である「衛星コンステレーション(星座)」を日米で共同開発し、共同運用することだ。衛星コンステレーションとは、宇宙の低軌道に数百基もの監視衛星を打ち上げて、本来なら探知が難しい低軌道で飛来する敵ミサイルを追尾する監視衛星群のことを指す。

衛星コンステレーションのイメージ(米宇宙開発庁のホームページより)
 

米国で開発されて米軍が運用し、日本政府も導入したミサイル防衛システムは、放物線を描いて落下する弾道ミサイルの対処を想定している。ところが、極超音速滑空体と呼ばれるロシアの新型ミサイル「アバンガルド」や中国の「DF(東風)21」は大気圏の上層部を滑空しながら、マッハ5程度の超音速で飛翔し、目標に向かって落下してくる。

超音速滑空ミサイルと弾道ミサイルの軌道の違い(米議会への報告書より)

北朝鮮が昨年5、7、8月に発射した新型短距離弾道ミサイルも低軌道で変則的な飛行をしたことが確認されている。

こうした新型ミサイルは水平線の向こうから突然、現れることになるため、地上レーダーでの探知では遅れが生じ、迎撃失敗となりかねない。その意味では、高性能レーダーを装備する予定だった日本版イージス・アショアも同じく無力だ。

これに対し、宇宙空間から監視する衛星コンステレーションは、発射から飛翔、落下までを漏れなく監視することができる。監視に限定すれば、配備を断念したイージス・アショアの機能を補って余りあることになる。