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進化する細菌 vs 抗生物質、どちらが強い?

耐性菌が持つジレンマとは

農業をするアリ

北米東南部から中南米にかけて、ハキリアリというアリが棲んでいる。ハキリアリは名前のとおり、葉を切るアリだ。どうして葉を切るのかというと、切った葉を使って農業をするのである。ハキリアリの農業が進化したのはおよそ5000万年前と考えられるので、人間の農業よりもはるかに古い。

【写真】ハキリアリハキリアリ(Leaf cutting ant )。女王アリ、オスアリと、大中小の働きアリ、兵隊アリがいる photo by gettyimages

ハキリアリは葉を切って巣に運ぶ。葉を運ぶ道は決まっていて、ある種のハキリアリでは平らにならされた道が100メートルも伸びているらしい。

葉を運ぶハキリアリとは別に、小型働きアリと呼ばれるハキリアリが道の脇をパトロールしていて、さらに巣は兵隊アリがしっかりと守っている。警備された安全な道を、しかも平らにならされた歩きやすい道を使って葉を運ぶので、とても効率がよい。たいてい葉のほうがハキリアリより大きいので、まるでたくさんの葉が自分で地面を歩いていくように見える。

【写真】葉が運ばれる様子小型働きアリによって葉が運ばれていく様子 photo by gettyimages

地下の巣のなかの部屋が、ハキリアリの畑だ。その畑に葉を敷いて、キノコの仲間を栽培するのである。数匹がかりで雑草を引き抜いたり、自分たちの糞を肥料にしたりして、きちんと育てて収穫するのだ。

巣には換気口がついていて、外につながっている。また、肥料として使い終わった葉や排せつ物などのゴミを捨てる穴もある(人間が一人入ってしまうくらい大きなものもある)。ゴミの処理は、アリとキノコの双方の健康にとって、とても重要であるが、不潔で危険な仕事でもある。このゴミ処理という仕事は、年老いた働きアリが担当しているようだ。

ハキリアリの一種"アッタセファロテス"の巣に作られたキノコの農園 photo by gettyimages

このようなハキリアリの農業は、しばしば起こる食料不足を解決する方法として進化した可能性が高い。農業によってハキリアリは、700万匹を超える巨大なコロニーを作れるようになった。