無職のどん底から「V字回復」…!吉祥寺発の時計ブランド社長の復活劇

「つなぐ時計」の逆転ストーリー

地元が「時計の聖地」に

吉祥寺の駅を降りて、北口の通称「東急裏」というエリアを歩くこと5分。人がにぎわう商店街は終わり、細い路地を曲がると、人通りがほとんどない住宅街に迷い込む。そこに、ぽつんと小さな店舗が姿を現す。

Knot(ノット)吉祥寺店。わずか8坪の店には、時計とベルトを並べたテーブルが中央に置かれ、若いカップルが組み合わせを楽しんでいる。そして、女性がお気に入りの時計とベルトのセットを見つけると、男性がプレゼントして、裏に記念の刻印を入れる。

Knotの丸の内の店舗の様子(写真:著者提供)

ここは今、聖地とも言える場所になろうとしている。

丸の内、表参道など国内13店舗、海外6店舗を展開し、累計35万本を売る人気腕時計ブランドは、6年前、この地にひっそりとオープンした。

 

「完全な日本製の時計を作る」

なぜ、この店が生まれたのか。創業直後、その思いを、社長の遠藤弘満はネット上で次のように記していた。

時計業界に新風を!
日本製のプレミアムな腕時計を1万円台から気軽にカスタムオーダー

はじめまして、株式会社Knot(ノット)代表の遠藤弘満です。

突然ですが、皆さん腕時計の色やサイズ、素材などが自由に選べないことに不満を感じた経験などはありませんか?(中略)

私達は、WEBサイトを通じて豊富なバリエーションの中から自由に時計とベルトをコーディネートして購入できるサービスと、MADE IN JAPANにこだわった高品質の腕時計を1万円台から提供することで、消費者の方のニーズを実現しようと考えました。

2014年、この構想がネットで流れると、クラウドファンディングで応援する人々が急増。ベルトは牛革や京都組紐、畳生地、ナイロンなど様々な素材とデザインが用意されている。その組み合わせは2万通りにも及ぶ。