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# MaaS

新交通サービス「MaaS」、成功のカギはピークカットにあり!

東急が描く脱「密」戦略
キーワードは「ピークカット」。観光でも通勤でも、MaaSは「密」を避けるwithコロナの有効な切り札になる! 「新しい生活様式」に対応した東急の構想を、MaaS戦略担当が明かす。
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MaaSで地域の課題を解決できるか?

「MaaSで、伊豆の地域課題をどう改善するのですか?」

このシンプルで強烈な問いに、自信を持って答えることができずにいた。

MaaSとは、端的に言えば、電車やバスなどの公共交通の予約や決済が、スマホ1つですべて完了し、不案内な土地でも目的地にたちどころに行ける、というサービスだ。

東急は、2019年4月から、日本初の「観光型MaaS」を伊豆半島で展開してきた。半年強の実証実験で、約6,200枚のデジタル商品を売り上げ、伊豆の交通事業者や観光事業者の運営習熟度や、一定の認知度から、それなりに成功事例として扱われている。

確かに、異なる会社の電車やバス、観光施設でも、スマホの決済画面を見せるだけでシームレスに利用できることは、地元のIT化という文脈の中では「進歩」と呼べるかもしれないが、伊豆の根本的な地域課題を解決するには至らなかった。

それは、季節毎の繁閑差が激しく、ピーク時には、交通機関だけでなく人員もキャパ・オーバーになるという問題だった。

たとえば、2月10日から東伊豆の河津町で開かれる「河津桜まつり」では、普段は1日400人程度しか下車しない伊豆急線の河津駅が、1万人を超えるまでになる。普段の25倍である。かといって、駅員の数がその分増えるわけではなく、伊豆急はもちろん、東急本社からも応援要員を出すことになる。

河津桜[Photo by iStock]
 

今年はコロナウィルスの影響で、最混雑期でも普段の10倍程度だったが、券売機の前が人垣であふれ、駅に入ることさえできない光景は、普段の閑散ぶりを知っている者からすると、信じられないものだ。