超能力も夢ではない?人がロボットやAIと合体する時代がやってきた!

人間の力を拡張する夢のテクノロジー
リケラボ プロフィール

どういうことかというと……たとえば、歩きスマホを思い浮かべてみてください。歩きスマホ自体はあまり褒められた行為ではないかもしれませんが、無意識化で直立二足歩行をしながら、スマホと人機一体の状態となり、意識は情報世界に入っていると言えます。そしてつまずきそうになったら、とっさに足の方へと意識を戻すことができる。

このように人間は、身体の中と外──ここでは自動化した身体と意識下の(マニュアル化した)身体、そして情報世界をシームレスに行き来し、操作を自由に切り替えることができているのです。

人機一体というと、以前は「ロボットを身体の一部として自在に操る」といった考えだったのですが、時には人間の身体もロボットになり得るとともに、両方をシームレスに行き来できることこそが人機一体であり、自在化なのではという考えに至っています。

 

情報技術を使えば離れていても通じ合える

──今後はどのような研究に力を入れていきたいとお考えですか?

今いちばん必要とされていて我々が貢献できるかもしれないのが、「ソーシャル・ディスタンシング」という言葉を「フィジカル・ディスタンシング」と「ソーシャル・インティマシー」という言葉にきちんと因数分解して、後者を実現してみせるということだと思います。

心と身体がかならず一致しているという状況では、物理的な距離がそのまま心の距離や社会的距離になっていました。情報技術が進んで、遠隔でもコミュニケーションをとることは当たり前になってきていますが、一方で、オンラインではどうしても超えられない壁というのも今のところはありますから。

身体性をともなったオンラインコミュニケーションはまだ難しい Photo by sh22 / iStock

──どんな壁でしょうか?

画面越しだと、身体性をともなったコミュニケーションがまだ難しいということです。たとえばオンライン会議では議題に沿って話を進めることはできても、パネルディスカッションのように創発的にアイディアを出し合ったりすることが難しいという現状があります。

これは、物理的に同じ空間にいる時には視線や無意識の動き、息づかいなどを察知することができますが、画面越しだとそれができないためです。視覚と聴覚に限定された世界ですが、ここに触覚を付加したらどうなるか? ということを考えています。

今後はオンラインでの仕事が増えていくでしょうし、物理的に離れた状況でも自由自在にコミュニケーションがとれ、心でつながることができる、オンラインならではの集会方法を開発したいですね。オフラインの代替手段としてだけではなく、オンラインだからこそできることというのもあると感じていますし、今後さらに可能性を探る必要があると考えています。

──たとえば、オンラインだからこそできることにはどんなことがあるのでしょうか?

オンラインで講義を行なうとき、教員の立場からすると虚空に対して話しているようで非常にやりづらさを感じていたのですが、コメントスクリーンという、ニコニコ動画のようにコメントが匿名でリアルタイムに流れるシステムを取り入れてみたところ、質問や感想がたくさん来るようになったんです。ひょっとすると、教室で行なう講義よりもインタラクティブになったんじゃないか、と感じるほどに学生からの反応が増えました。

これはつまり、物理空間の中では大人しかった学生が、情報空間の中ではとても饒舌になれる、ということを示していて、オンラインだからこそ可能になったことのひとつでもあるといえるでしょう。

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