超能力も夢ではない?人がロボットやAIと合体する時代がやってきた!

人間の力を拡張する夢のテクノロジー
リケラボ プロフィール

身体性を編集できればこんなことも可能になる

まずは、「超感覚」。これは人間の持つ感覚を増強していくということで、たとえば光学迷彩を使うことで透視が可能になると考えられます。

次に「超身体」は、自分の肉体を増強・拡張していくこと。「幽体離脱・変身」は、いわゆるVRなどの分野にもつながります。今では、バーチャルの世界で自分の思い描くキャラクターに変身し、年齢や性別を自由に変えてコミュニケーションをとることができますよね、これも変身の一種だといえるでしょう。

「分身」は、自分の分身を部下として使うことができるようになれば、より大きな仕事をできるようになるのでは、といった話です。たとえばサッカーゲームでは一人のプレイヤーが11人の選手を状況に応じて動かしていることを考えれば、一人が複数人の力を持つことも不可能ではないはずなのです。

そして「合体」は、文楽人形が三人で操られることで非常に繊細な動きを実現したり、戦隊ヒーローが一体の大きなロボに合体して戦うように、複数の人がまとまって一つの身体を動かしたときに、新しい動きが可能になるのでは、ということ。我々が慶応大と共同開発した「Fusion」も、合体を実現することができるシステムのひとつです。

──Fusionとはどんなシステムなのですか?

簡単にいうと、離れた場所の人と二人羽織ができます。ロボットアームをVRで遠隔操作できるシステムで、共同作業をしたり、あるいは手首を掴んで動きをコントロールすることで離れたところから楽器やスポーツを教えることもできます。

──コーチや名人に手取り足取り教えてもらうことで、離れていても動きが体感できるわけですね!

©東京大学 稲見・檜山研究室 & KEIO MEDIA DESIGN

さらに面白いのが、Fusionを使って一緒に作業するうちに、離れている人と操作されている人の間に、共感あるいは親密感が高まるという現象が観察されています。昔からみんなでお神輿をかつぐ風習があるように、一緒に何かをすることは人やコミュニティを結びつけるうえでの重要なキーになっていた、同じように情報空間においても、共同作業は人と人を結びつけるコミュニケーションメディアとしての役割を持てそうだ、ということがわかってきました。

それで、我々は自在化に向けて様々なシステムを開発するだけでなく、新しい身体を獲得することによって脳内や心にどんな変化が起きていくのか、ということについても神経科学や、心理学を用いた研究を積極的に行っています。最近では、また新たな視点で自在化についての考えがまとまってきたところなんですよ。

──どんな考えでしょうか?

人間の身体には、非常に高度なセンシングと情報処理機能が備わっており、無意識のうちに様々な生命活動が行なわれています。この無意識下での活動はある意味「自動システム」によってロボット化しているとも言えるわけで、これが人間の身体のすごさなのです。

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