「スマホ・ゲームは目に悪い」説、意外に「そうでもない」ことが判明

「やりすぎは近視のもと」は本当なのか?
井出 草平 プロフィール

眼精疲労を極度に恐れる必要はない。しかし、決して良い物ではないことも明らかである。

ジャマイカの大学生を対象にしたパソコン利用についての調査では、興味深い結果が出ている。パソコンやタブレットを使ったことによる身体症状は首の痛み(75.1%)、眼精疲労(67%)、肩の痛み(65.5%)、ドライアイ(26.2%)、かすみ目(51.6%)などであった。このような症状が出ることは想像の範囲内だが、パソコンを使ったときの姿勢で結果が大きく違ったのである。

中程度の目のぼやけを訴えた人は、目線から斜め下にノートパソコンを置いて使うようなスタイルの人では14.8%であったのに対し、タブレットなどを手で持って、下から見上げるようにして使う人では52%と多かった。一方、重度の眼精疲労は、パソコンやタブレットを見下ろして使う人の63%でみられたのに対し、目の高さにモニタを置いていた人では21%と少なかった。これらの「姿勢」は、眼精疲労には関連があったが、肩の痛みなど身体の症状には関連がなかったと報告されている。

 

つまり、スマホであれ、ゲーム機であれ、パソコンであれ、使う姿勢が目に与える影響は少なくないということだ。これは、パソコンを長時間使う仕事をしている人にも示唆のある研究である。ノートパソコンを使う時には、たいていモニタは目線よりも下にあり、見下ろす形で作業することになるし、キーボードを打つ場合には猫背になりがちである。それに比べてデスクトップパソコンは、身体をしっかり保持できる椅子を使うことができ、目線の高さにモニタを置くことができる。デスクトップパソコンの方が目に対する悪影響は少ないのである。

眼精疲労を扱った論文でこれが近視につながる訳ではないにしても、疲労につながるのは間違いなく、健康にパソコンを使うのであれば環境を整えることも必要かもしれない。

インドの11~17歳、576人の思春期の学生を対象とした研究もみてみよう。デジタルデバイスを使用しながら横になる習慣があると、眼精疲労の症状(27%)が高くなる。横になるというのは、寝る前にスマホを使うような状況ではなく、ベッドで寝転がりながら、ウェブサイトやデジタル化された教科書を読んだり、ストリーミングサービスで動画を視聴したりすることである。

先ほどは目線と対象の角度が取り上げられていたが、対象と眼の距離が一定に保たれているかどうかも関係があるようだ。対象と目の距離が揺れることによって、近視が生じていると示唆する研究もある。

ゲームであれば、ごろごろとベッドでもできる携帯ゲーム機よりも、テレビに接続した据え置き型のゲーム機で姿勢を保ちながらプレイするほうが、目に対する悪影響は少ないかもしれない。

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