「スマホ・ゲームは目に悪い」説、意外に「そうでもない」ことが判明

「やりすぎは近視のもと」は本当なのか?
井出 草平 プロフィール

発表されている研究データをすべて合わせたうえで分析するメタアナリシスという方法では、近業と近視に関連がみられたが、テレビ視聴、ゲームとは関連がないとされている。

日本では、学校で行われている健康診断のデータ(1979年から2012年)に基づく大規模データ分析がなされており、その結果、テレビゲームの時間や学習時間は視力不良と関係がなかった、と報告されている。

従って、現在までの研究を総合して判断すると、読書や勉強といった近業はリスクとして十分に考えられるが、テレビ視聴やゲームプレイにはリスクがないというものになる。

 

むしろ「ゲームで視力回復」することも

「目に悪い」というイメージで責められることも多いゲームだが、ゲームによって視力が回復したという報告もある。動きのあるアクションゲームのプレイによって、視力の一要素である「コントラスト感度」が改善したとの報告がある。アクションゲームをしていると反応が早くなり、間違いが少なくなるといった報告もある。こちらは視力のみならず脳機能の上昇であるが、次々と敵が出てくるようなゲームだと、早く正確に対処する必要があるため、脳の一部の能力が鍛えられるのではないかと思われる。

また最近では、大人がVRを使うことでと視力が回復したという報告が上がっており、今年6月には弱視(メガネやコンタクトで矯正しても1.0以上の視力がでないもの)の治療のためにVRを使用した実験の論文が発表されている。

VRの視力への影響を検討した別の論文では、目とVRスクリーンの間の距離が短いため、一見するとVRは近業であるようにも思えるが、実際には擬似的に遠くのものを見ることになるため、近業にはならないようだ。また、視力が安定している成人は、VRの使用によって近視になることはないともされている。子どもに関してはまだ研究が進んでいないものの、今後この分野では新たな発見が出てくると思われるため、ゲームやVRでの視力向上効果が証明されることが期待される。

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