2020.07.30
# 格差・貧困

女性活躍のタテマエの裏で…コロナは圧倒的に「女性」を苦しめていた…!

浮き彫りになった女性活躍の実態と格差
飯島 裕子 プロフィール

それは「一斉休校」から始まった

最初に働く女性たちに注目が集まったのは、2月27日、安倍首相が突然の学校一斉休校を発表した時だった。木曜日の夕方に翌月曜日からの休校を告げられた学校関係者、子供たち、そして働く母親たちは混乱に追い込まれた。

日中、誰が子供の面倒を見るのか? 学童保育は開くのか? 政府与党は令和の現代にあっても、いまだ昭和のような「専業主婦モデル家庭」しか頭にないと批判が殺到した。その結果、保育所や学童保育は開くことになり、やむを得ず親が休業した場合、賃金が補償されるなどの措置が取られるようになった。

〔PHOTO〕iStock
 

もちろんそれですべて解決したわけではない。夫婦両方がフルタイムで働いていたとしても、結局母親が家にいることになった在宅勤務をはじめたが子どもがいて仕事にならない祖父母の手を借りてきたが感染のリスクから頼めなくなった等々、女性たちの置かれた現実に不満が噴出した。

今や共働き家庭は、専業主婦家庭を大きく上回っており、仕事と家庭を両立させることは特別なことではない。しかし、一斉休校の大混乱によって明らかになったのは、「母親が働く」ということは学校などのインフラがきちんと整備され運営されていることと不可分であり、常に危うい綱渡り状態であるということだった。

さらに4月以降になると、女性の「非労働力人口」も増加しており、働くことをあきらめた女性たちが出始めていることがわかる。

中でも最も苦境に立たされたのがシングルマザーである。しんぐるまざーずフォーラムはシングルマザーに対する調査を続けているが、6月実施の調査によれば、コロナ禍で、休校による自主休業や勤務先の休業、解雇等により、収入が減少した人が7割。うち2人に1人は収入が半分以下になったと回答している。「1日2食に減らしてしのいでいる」など悲痛な声が寄せられているという。

シングルマザー世帯の貧困率はコロナ以前から5割を超えており、非正規雇用率が非常に高い。コロナの影響は最も脆弱な労働者であるシングルマザーを直撃したのだった。

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