ハエや蚊の役にも
スケートと表現の高レベルが要求された

クオリティを高めるために、制作側は周到な準備をしていた。

「高橋大輔さんを起用するからには、映像はとにかくカッコよくしたいと決めていたし、本格的なフィギュアスケートの世界観を作り上げる必要がありました。そのため、ハエや蚊の群舞も本格的なスケーターの方々にご協力をいただきました。ただ、高橋大輔さんと共演しなければならないため、フィギュアスケート経験だけでなく、今もなお高いレベルで表現できる人を探す必要があったのです。その結果、出演してくださった群舞のスケーターさんたちがいなければ成立しないぐらいのハイクオリティーのCMになったと思います。アースジェットで倒されてしまうハエや蚊の役にも関わらず、カメラが回っていないところでも練習してくださっている姿を見て、感謝の気持ちでいっぱいになりました」

そんなハエや蚊役のみなさん一人一人の意識が、あのCMから感じるエネルギーの爆発っぷりにつながったのだろう。

そして声が耳から離れないテーマソングを歌っていたのは、Almir chiquinhoさん。彼は多くのCMソングを歌ってる方だが、その起用の理由は、いかにもフィギュアのイメージの歌にはしたくない制作側の確固たる意図があった。

「リンクの上の高橋さんがカッコよくスケートの技を決めながら、アースジェットを手にストイックにハエや蚊を倒していく映像に、chiquinhoさんのクセのある歌声が合わさることで、CMが目からも耳からも印象に残りやすいと、ミスマッチの面白さを狙いました。おかげで見たことのない高橋大輔さんの映像になり、涼しげな映像の中で特徴のある歌声が夏っぽさを演出することができました」

売上も前年比アップ

撮影当日、制作者側の方の思い出に残っているエピソードを次のように教えてくれた。

「当日は長い時間の撮影となり、特にラストカットのハエや蚊役のスケーターさんとの共演のシーンでは、全員の動きを揃えなければならず、何度もトライをしました。ハエや蚊役のスケーターさんたちも長丁場の撮影で疲れもあったと思いますが、そんな彼らに高橋さんが温かい声をかけて、鼓舞してくださったおかげで、最後には全員の動きがピタリと揃う演技をカメラに収めることができました。気がつくとスタッフみんなが拍手をしていたのが印象に残っています。

CMは、想定していたよりもインパクトのある仕上がりとなり、社内でもとても好評でした。商品特長や高橋大輔さんの良さを存分に出すことが出来たのではないかと思います。多くのお客様からご好評の声をいただき大変嬉しい限りで、売上も前年比を上回り順調に伸びております」と制作側、ファンと一般消費者とみながハッピーになったようだ。

ちなみにCMのメイキング映像は今回制作していないとのこと。CMは、現在のところショー編のみということで、別バージョンがぜひ見たいものである。

また他の時期や機会に、テレビ画面でアースジェットを片手に踊りまくる高橋大輔さんにいきなり遭遇することを楽しみにしたい。

まさにこのCMは「プロフェッショナルの集結」だった 写真提供/アース製薬