全国的に衝撃が走った夜

コロナ禍にある5月某日の夜。用事があって、関西に住む高橋大輔さんファン(高は本来ははしご高)の友人に電話すると、電話に出るなり「今、今大ちゃんが、金ぴかの衣装でテレビで踊ってる!」と叫んだ。「え?」と聞き返すと。友人は、「仮面ライダーみたい」「虫退治してる」と意味がわからないことを口にする。「何かの番組に出てるの?」と問うと、「一瞬だったのでわからないけど、すごいもの見た。何あれ?」と興奮していて、肝心の用事についてはさっぱり話ができないままに、一度電話を切った。

一体なんだったのか。SNSを開くと、同じ現象がネット上でも。ざわめきがまたたくまに広がっていた。それは殺虫剤のアースジェットのCMが初めて放映された夜のことである。

出典/youtube Earth corporation「アースジェット ショー編30秒」アース製薬

ニコリともしない高橋さんの「本気」

高橋大輔さんがきらきら光るアースジェットのパッケージがモチーフになった、ノースリーブの衣装を着て出現。氷上で滑りながら戦隊もののヒーローのように、アースジェットを噴霧しながらハエや蚊役のスケーターをストイックに退治している。ニコリともせず、流麗にスピンやアクセルジャンプの技を決めながらアースジェットを噴射し、ハエや蚊虫に扮するスケーターたちを撃退していく。最後はハエや蚊たちと共にアースジェットのこれまたクセのある歌にのせて、氷の上で踊りまくり、ニコリともしない決め顔のまま、商品のアップでフィニッシュ。

これを大真面目な顔で真剣にやっていることで面白さに磨きがかかり、目を離せない。出演者にも制作側にも完全な「本気」を感じる。

このCMはそれまで一切の情報が出ておらず、いきなり地上波で放送されたもの。さらにこの内容。「高橋大輔、キレッキレに踊ってる」「高橋大輔の超無駄遣い(笑)」など、その日のうちに瞬く間にネットで動画や感想が広がっていった。アース製薬の公式動画の再生数も7月17日現在、20万ビューを超えている。

では、ファンが歓喜し放送されるたび、「画面に釘付け!」「高橋大輔、アースジェットのCMでも表現力が凄いわ」などとさまざまな声があがる話題のCMは、どのような経緯で制作されたのか。アース製薬にその裏側を伺ってみた。