ドラマの評価はイマイチだったけど

そんな私がキムタクを再認識するきっかけとなったのは、2013年に放送された『安堂ロイド~A.I knows LOVE?』だ。
 
なんとこのドラマ、TBSの日曜劇場という老舗のゴールデン枠の放送でありながら、未来から来たアンドロイドがヒロインを守る……という、『ターミネーター』ばりのSFストーリーだった。
キムタクは、何者かに殺害された天才科学者と、アンドロイドの2役だ。

 
ラノベ原作のアニメのような内容のドラマで、個人的にはツボにはまって楽しく観ていたが、いかんせん、日曜9時枠には少しぶっ飛びすぎていた。残念ながら視聴率はいまひとつ振るわず、一般的な評価もイマイチだったようだ。
が、このドラマのキムタクは、決して悪くない。いや、むしろ、かなりいい。
 
100年先の未来から来たアンドロイドでありながら、エネルギー切れでフリーズしたロイドは、一般家庭のコンセントにコードをつないで充電されたりする。(そして、消費電力のキャパオーバーでブレーカーが落ちる)そんなギャグのようなトンデモ設定の中でも、キムタクは真摯に、丁寧に、無機質で無表情なアンドロイド役を演じていた。
何よりも衝撃的だったのは、その最終回だ。
桐谷美玲ちゃん演じるラスボス、美少女アンドロイドを倒すべく、ロイドは彼女を道連れにして大空へ飛び立ち、大爆発!! という最期を遂げる。
 
ちょっと待て! 大昔の少年漫画か!? と突っこみたくなるような展開の上に、チープな特撮。
しかも、そのシーンで唐突に流れる小田和正の感動的な歌! 主題歌でもないのに、なぜここで小田和正……!? 
だが、そんなドラマ史上に残りそうな迷シーンにおいても、キムタクは大真面目に、精一杯カッコよくあろうと全力を尽くしていた。
その揺るぎなくひたむきな姿に、無性に感動して涙ぐみながら、私は改めて、キムタクのすごさを再認識したのだった。

2007年、カンヌ国際映画祭でのポートレート Photo by MJ Kim/Getty Images