漫画家で小説家の折原みとさんは、1シーズン15作以上のドラマを見ているというドラマフリーク。今シーズンもおススメ作品がいくつかあるようだが、中でも『BG~身辺警護人』の第2シリーズを見ると、改めて木村拓哉さんに対して「キムタクの呪縛から解けてよかった……」という思いを抱くという。というのも、折原さんは1991年のドラマ初主演のときから、木村さんの主演ドラマをほぼすべてチェックし、その「変動」を目の当たりにしてきたからだ。
 
折原さんが「よかった……」と思う理由を「キムタクの歴史」とともに振り返っていただいた。

マクドナルドの「ちょいダサ」キムタク

 「ドライブスルーだちょいマック~〜♪」
 
最近、よくテレビから流れてくるこの歌に、ゾワゾワしたりモゾモゾしたりしている方も多いのではないだろうか。
ご存知、「キムタク」こと木村拓哉さんが歌う、マクドナルドのCMソングだ。

ドライブ中のキムタクが、ノリノリのキムタク節でご機嫌に歌うCMは、今ネット上でも話題。
多くの人たちの「共感性羞恥心」を刺激し、中には「恥ずかしい!」「ウザい」「イラっとする」などと、散々な言われ方のコメントも見受けられるが、そのくせうっかり「ちょいマック~〜♪」と口ずさんでしまったりする。
インパクトと刷り込みという点で、CMとして成功しているのではないだろうか。
 
そして何より、このCMのキムタクは、実にのびのびと楽しそうだ。スカしてカッコつけているわけではなく、確信犯的に「恥ずかしくてイラっとするオッサン」を演じているようにも見える。

「ああ、キムタクもずいぶん自由になったんだなあ」……と、勝手に感慨にふけってしまう。

2018年、自身がキャラクターとなって登場するPS4の向けセガゲームス「JUDGE EYES 死神の遺言」の発売記念イベントで台湾に上陸。プレスカンファレンスでリラックスした笑顔を見せていた Photo by udn.com/Visual China Group via Getty Images

1991年の衝撃的主演ドラマ

 私が初めて木村拓哉さんに惹かれたのは、1991年1月に放送された単発ドラマ『松葉杖のラガーマン』だった。
まだSMAPとしてメジャーデビューする前のこと。「キムタク」ではなく18歳の木村くんは、練習中の事故で四肢麻痺になってしまったラグビー選手役を熱演していた。
端正な顔立ちと、いたずらっ子みたいなクリクリした瞳。サラサラの髪の少年は、それはもう少女漫画から抜け出したように可愛くてかっこよくて、一気に虜になったものだ。
 
そのドラマが初の単独主演作だったが、演技も上手かった。セリフも表情も、その辺にいる男の子みたいに自然で、そのくせドキドキするほど魅力的だったのだ。
それからは、ドラマに出る木村くんを楽しみに追いかけるようになった。

1992年には、『世にも奇妙な物語』の内気で純朴な青年役。
『その時、ハートは盗まれた』のヒロインの憧れの先輩役。
そして1993年の『あすなろ白書』

一見地味だがよく見るとイケメンな黒ぶち眼鏡の青年役で注目された木村くんの人気は、1994年の『若者のすべて』で大ブレイクする。
 その髪型やファッションを真似る男の子たちが巷に増え、「キムタク」という愛称が定着したのもこの頃だったのではないだろうか。
1994年前後から、「$10」「Hey Heyおおきに毎度あり」「がんばりましょう」「KANSHAして」と、SMAPのCDも大ヒットを連発。スーパーアイドルグループとして人気が爆発していく。