貯金3000万円で「海辺のリゾート」に引っ越し、すべてを失った夫婦の悲劇

たった2年半で…
現代ビジネス編集部

狂い始めた日常生活

頭金は夫婦で計3000万円、家賃も値上がりせずに据え置きになるとの説明を受けたため、4年分を一括して前払いした。

入居当初は、夕食は刺身や天ぷらなどのまさにリゾートホテルの夕食といった品が並び、好きな時間に大浴場にも入れる。同世代の他の入居者との交流も楽しく、時には外から友人や子どもたち家族を招いて宴会をすることもあった。

Image by iStock

各部屋にはナースコールボタンがあり、看護師の資格を持つスタッフが定期的に入居者の健康管理してくれる。体の不自由な人には病院や買い物の付き添いをしたりといった無料サービスも事前の説明の通りで、生活は充実していた。

しかし、入居から1年ほどたったころで経営者が交代になり、いたれりつくせりの生活の歯車が徐々に狂い始める。

経営難で半数以上の施設のスタッフが離職したことをきっかけに、食事はそれまでの豪華な出来たてのものから、簡易的なチルド食品を暖めたものに代わり、健康管理や買い物の介助といった無料サービスも廃止されて看護スタッフもみんないなくなってしまった。

 

加えて新任の施設長は入居者や残りのスタッフを集めて、「ここは高齢者向けの介護施設ではなく、われわれ法人の保養施設だと認識してほしい」と公言するようになった。

「新しい施設長が来てから、明るかった施設内がぐっと暗く陰気な雰囲気になっていきました。良くしてくれたスタッフもほとんどが居なくなり、活気がなくなって私も妻も籠もりがちになっていきました。

ほんの1年前までは、楽しかった食事も、電子レンジで温めた出来合いの食事を妻とふたり、会話なく食べる日々でした」

先行きの不安を仲の良かった施設のスタッフに話すと、施設長がスタッフたちに充てて書いた数枚の文書をこっそり見せてくれた。そこに書かれていた内容は目を疑うものばかりだったという。

関連記事

おすすめの記事