ニトリホールディングスHPより
# 経営

「すべての業務を競争力に」ニトリはどこまで強くなるのか?

自前主義の王国の原点とは

強さの秘密は自前主義

ニトリホールディングス が、6月25日に発表した2021年2月期第1四半期(3〜5月)の連結経常利益は、前年同期比21.5%増の373億円となった。

飲食・観光業の新型肺炎流行による打撃は大きく報道され、休業補償が行われたり、Go Toキャンぺーンが推進されたりする。その陰に隠れた感があるが、デパートを含む小売業の被害も大きい。

その環境の中で、これだけの業績をたたき出すニトリの存在感は圧倒的だ。

また、多くの商品を海外から調達する同社の業績は、為替相場に大きく影響されるが、2011年3月の東日本大震災および1ドル76円台に達するその後の円高局面でも、為替予約などを駆使して切りぬけ、2020年2月期まで33期連続の増収増益を達成している。

この好業績は、決算説明会に集まるアナリストからは「為替見通しの達人」と呼ばれ、これまで多くの見通しを的中させてきた創業者の似鳥昭雄氏の(為替予想を含む)個人的才能によるところが大きいことは事実だ。

似鳥昭雄会長 (ニトリホールディングスHP)
 

しかしそれ以上に、その似鳥氏のリーダーシップのもとに成長してきたニトリという企業のシステムが、「自己増殖」して高い水準に到達したことが要因だと考える。

ニトリは自社業態を「製造・物流・小売業」と称する。つまり、工場で製造してから消費者の手元まで届くまで、すべての工程を自社で管理するということである。

しかし、これは「言うは易く、行うは難し」の典型で、多くのメーカーが「販社」を設立したり、問屋や商社がまだまだ大きな力を持っていることからも明らかだ。

もちろん、後で述べるように、「自社の競争力とならない業務」はアウトソーシングしたほうが効率的な場合も多い。また、アウトソーシング受託会社が栄えるのもニーズの大きさゆえだ。

しかし、ニトリの哲学は「当社の業務はすべて競争力につながる」というものであり、すべての業務を自社で執り行い、ノウハウを社内に蓄積する努力を行う。短期的には、アウトソーシングの方が効率的に思えても、外注した業務では社内にノウハウが蓄積されず競争力を生まない。

ニトリの圧倒的強さは「自前主義」という一見非効率な手法の中で、「競争力の高いノウハウ」を蓄積してきた点にある。