「プリキュアの父」が危機感と期待を込めて児童書発アニメに全力を注ぐ理由

『おしりたんてい』『人体のサバイバル!』…
飯田 一史 プロフィール

おもちゃありきの作品と比べると客単価が安いが、長く続けられれば話が変わる

――児童書発だとたくさんの商品展開は見込めないとのことでしたが、『おしりたんてい』ではお台場にグッズを買えるショップを設け、謎解きイベントや舞台をやり、「最強ジャンプ」でスピンオフをマンガ化、歌は紅白歌合戦に出場したほど親しまれています。それでも制作資金の回収は難しい?

鷲尾 正直申し上げまして現時点でまだ完全には黒字にはなっていない状況です。お子さんの間の知名度は圧倒的ですが、ビジネスの拡大にはもう少し時間が必要でしょうね。

――アニソンやグッズ、パッケージメーカーのようないわゆるアニメビジネスの事業者以外に、子ども向けだからこその資金の出し手はいないのでしょうか? たとえばアンパンマンはかんぽの宣伝キャラクターになっていますよね。もっとも、アンパンマンやドラえもんなどを除けばあまり例がなさそうですが……。

鷲尾 幅広い人が観ているという前提があるテレビのバラエティ番組などには、幅広いスポンサーが付きます。ところが慣例的に子ども向けの作品では、お子さん向けとお子さんがいらっしゃる親御さん向けの商品のCMに限られてしまうんです。

 

――アンパンマンやドラえもんは長く続いて認知度のステージが一段階、二段階上がっているので、幅広いスポンサーが付きやすい?

鷲尾 はい、当社ですと『ワンピース』『ドラゴンボール』(集英社)、『セーラームーン』(講談社)などがそうですね。子ども向けのキャラクターを大手一般企業さんが「使いたい」と言ってくださるまでには時間がかかります。かつての子どもが大人になってクルマや家を買おうと思ったときに起用されるのかな、と。

――ドラえもんのアニメがテレビ朝日で始まったのは1979年、日産「ラシーン」のTVCMに起用されたのは97年でした。つまりおしりたんていも10年、15年続けば話は変わってくるかもしれない。

鷲尾 そうあってほしいと思っています。今では劇場版が「デートムービー」で「大人も楽しめる」と言われている『名探偵コナン』(小学館)も、TV放送初期はスポンサーが少なかったような記憶があるんです。

『ワンピース』も番組開始当初はビジネスで苦心していましたが、10年を越えた頃から大きく拡大しました。粘り強く番組を続けることがいかに大事かということですね。

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