Gettyimages

ポンペオ長官“怒りの演説”が中国共産党に突きつけた「究極の選択」

中国が「国家体制」を替えなければ…

アメリカが本気で焦り出した

いやはや、アメリカと中国が大変なことになってきた。

アメリカが7月21日、ヒューストンの中国領事館閉鎖を命じたかと思えば、中国は24日、成都のアメリカ領事館閉鎖を命じた。期限はそれぞれ72時間以内だ。これほど激しい米中の攻防は、1979年に国交正常化を果たして41年で、初の事態である。

先週のこのコラムでは、ドナルド・トランプ大統領の最側近の一人で、対中強硬派として知られるマイク・ポンペオ米国務長官が7月13日に発表した、「南シナ海の海洋主張に対するアメリカの立場」と題する声明の全訳を載せた。その上で今秋、アメリカが南シナ海に中国が建設した人工島を空爆する可能性について詳述した。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/74262

ところが、ポンペオ長官によれば、中国批判は「4回シリーズ」なのだそうで、ロバート・オブライアン国家安全保障顧問、クリス・ウォレイFBI長官、ウイリアム・バール司法長官を伴って、さらに強烈なスピーチを、7月23日に行った。

その要旨は後述するが、これは台頭する中国に追い詰められた覇権国アメリカの「悲痛な叫び」とも言えるものだ。1945年以降、世界の覇権を握ってきたアメリカが、このままでは中国に覇権を奪われてしまうと、本気で焦り出したのである。

gettyimages

トランプ政権の対中論争に終止符

今回のスピーチは、3つの意味で、「米中新冷戦」を決定づけるものとなった。

第一は、トランプ政権内の対中論争に終止符を打ったことである。

トランプ政権内には、中国とどう対峙するかについて、二つの見方がある。一つは、貿易不均衡や雇用を是正することに主眼を置く、いわば「通商強硬派」である。

トランプ大統領自身がその代表格で、スティーブン・ムニューシン財務長官やジャレド・クシュナー大統領上級顧問(トランプ大統領の長女イヴァンカ大統領補佐官の夫)らが、このグループに属する。実業界やウォール街出身の幹部たちが多く、中国を主にビジネスの対象として捉えている。

もう一つのグループは、中国という台頭する社会主義国そのものが許せない「軍事強硬派」、もしくは「理念強硬派」と呼ぶべき幹部たちである。彼らは現在の中国を、「21世紀のソ連」と捉えている。

マイク・ペンス副大統領とポンペオ国務長官が、その代表格である。ピーター・ナバロ国家通商会議議長やマット・ポッティンジャー大統領安保担当副補佐官、政権内から外れたジョン・ボルトン前大統領安保担当補佐官、スティーブン・バノン元大統領首席戦略官兼上級顧問らが、このグループに属する。

 

右派の政治家や軍関係者、論客らが多い。彼らは決して口にはしないが、白人でもキリスト教徒でもなく、英語を母国語とするわけでもない東洋の国(中国)に、21世紀の覇権を取られてしまうことへの強い拒否感を持っている。