# ホラー

閲覧注意…「怪人赤マント」の元ネタと言われた“血みどろ”未解決事件

本当にあった怪奇事件簿③
朝里 樹 プロフィール

青い毛布が血で赤く染まり…

「赤毛布を着た殺人魔」と題されたこの事件は、「青ゲットの男事件」と異なり、亭主の母が犠牲になっていない。夫婦二人が殺された、という話や家紋のついた提灯を下げていた、という話は実際の事件とは異なる。一方、先述した松本清張の『家紋』ではこの要素が拾われており、タイトルの由来にもなっている。

このように、長い時を経る間に「青ゲットの男事件」の噂は実際の事件から変化して行ったことが伺える。毛布の色もまた、人々のイメージの中で青から赤へ、いつの間にか変色したのだ。

しかし、その変化がいつ起きたのかは分からない。明治の未解決事件が大正を経て昭和初期に赤いマントの怪人を生み出した、という可能性はゼロではないが、それを証明するものは現在のところない。

そもそも未解決事件とはいえ、明治時代に福井県で起きた殺人事件の噂が各地に伝播し、赤いマントの怪人を生んだ、と考えるには資料が乏しい。

それでも筆者は想像してしまうのだ。

暗い吹雪の夜を歩く青い毛布を被った男。その毛布が赤色に染まり、やがて赤いマントの怪人へ変わりゆく姿を……。

 
〈参考文献・WEBサイト〉
松谷みよ子『現代民話考7 学校・笑いと怪談・学童疎開』(2003年、ちくま文庫)
中野並助『犯罪の通路』(1987年、中公文庫)
松本清張『死の枝』(1974年、新潮文庫)
物集高音『赤きマント―第四赤口の会』(2001年、講談社ノベルス)
『オカルト・クロニクル』「青ゲット殺人事件――都市伝説となった事件」
https://okakuro.org/ao-getto/
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