子どもを賢くするには?本のプロが伝授「読み聞かせと本選びの答え」

ふたりの男親が語り尽くす
海猫沢 めろん, 飯田 一史 プロフィール

子どもが賢くなる本ってあるの?

海猫沢 あとは「どんな本を読ませたら賢くなるのか」っていうのも関心が高いですよね。

飯田 「プレジデントFamily」では「東大生が小学生のとき読んでいた本」とかをよくやっていて、『ハリー・ポッター』や『マジック・ツリーハウス』あたりが最上位の常連です。

ただ、「朝の読書」運動の理論的根拠となったジム・トレリースの"The Read-Aloud Handbook"の最新第7版(『できる子に育つ 魔法の読み聞かせ』として邦訳も刊行されている)では、マンガでも雑誌でもいいからとにかく好きな本に熱中することが成績向上にもつながることがさまざまな研究や報告を元に書いてある一方、いわゆる「良書」を読ませろとはまったく書いていません――にもかかわらずなぜか朝読ではなぜかマンガや雑誌はほとんどの学校でNGなのですが。まあ、熱中してマンガを読むのと熱中して本を読むのでは後者のほうが若干プラスの効果は大きいようですけれども。

海猫沢 なんでもいいから活字に触れさせることのほうが大切だと思いますね。大切なのは熱中してなにかをすることでもあるんで。

〔PHOTO〕iStock
 

飯田 「東大生が小学生のときに読んでいた本」ランキングでも、かつて保護者や教師に「悪書」扱いされていた『かいけつゾロリ』がベスト10内とか、最低でも20位以内にはだいたいいますからね。おもしろくて夢中で読める本をたくさん読んでいれば自然と学力や、勉強に必要な集中力が養われるのでは。

海猫沢 あ……でも、そういえばうちの息子、『NARUTO』にハマって全巻を3周はしてるんだけど、この前「忍者」って書ける? ってやらせてみたら「忍」って書けなかったんですよ……。

飯田 (笑)。「本をたくさん読めば誰でもあらゆる科目の成績が劇的に上がる」みたいなのはさすがに幻想ですよね。過度な期待は禁物だと思っています。

でも「どうせ読ませるなら、ためになりそうなものを読ませたい」という気持ちは僕も親としてわかります。めろん先生の育児エッセイ本『パパいや、めろん』によると「賢い人は歴史の流れを理解していて、そこにいろいろな知識を紐付けている」という考えに基づいて、海猫沢家では小学校に入る前から歴史学習マンガを読ませていたと。

海猫沢 そうなんです。歴史を知ってもらいたいけど、勉強の体で入ると拒絶されるなと思ったので、マンガを読ませようと。さらに言うとその前に歴史上のキャラから教えないといけないと思ってゲーム『三国無双』をやらせました。

飯田 (笑)。

海猫沢 三国志ってキャラが立っているし、『モンスト』(『モンスターストライク』)とか『妖怪ウォッチ』でも扱われているから、それを入り口にしてKADOKAWAの『角川まんが学習シリーズ 日本の歴史』を読ませた。あのシリーズはキャラクターを軸にして入りやすいつくりになってるんですよ。で、だいたい学習マンガの日本の歴史って卑弥呼あたりから始まるから、そうすると「この『魏志倭人伝』の『魏』って曹操のところか!」と思ってくれて、そのあとの歴史にも興味を持ってくれた。