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国と佐賀県が激突…知っておきたい「九州新幹線西九州ルート問題」の論点

迷宮入りしているが…

現在進められているリニア中央新幹線の工事では、大井川の流域自治体と静岡県の川勝平太知事が南アルプストンネルの工事に反対している。

もともと令和9年の開業を目指していたが、事実上遅れることが確定した。これからJR東海は国交省と協議したうえで、正式に延期の手続きをとるのであろう。

九州新幹線の西九州ルート

いっぽうで、九州新幹線の西九州ルートでも、武雄温泉~新鳥栖間のフル規格化について、佐賀県が強く抵抗している。

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西九州ルートは、現在、長崎から武雄温泉までの工事が進行中で、2年あまり後の令和4年度には完成する予定である。

国は、長崎~武雄温泉間開業後、間をおかずに武雄温泉以西区間の工事に移行しようと、今年の7月までに武雄温泉から新鳥栖までのフル規格による整備について手続きを開始する考えであった。

長崎~武雄温泉間は新幹線のフル規格で新線を建設し、並行して在来線と直通可能なフリーゲージトレインの開発が続けられてきた。しかし、技術的な限界からフリーゲージトレインの西九州ルートでの使用を断念した。

そのため新幹線区間と在来線を直通することができなくなったため、暫定的に武雄温泉駅で、ホームの対面で新幹線と在来線の特急を乗り換える、リレー方式で整備を進めている。

かつて九州新幹線鹿児島ルートが鹿児島中央~新八代間を部分開業した際に、新八代駅で実施した方式である。在来線と新幹線で指定席の位置を同じくしてスムーズに乗り換えできるように配慮され、博多~新八代間の開業まで続けられた。

しかし、鹿児島ルートとは異なり、長崎~武雄温泉の乗車時間はせいぜい20分ほどで、武雄温泉で在来線特急に乗り換え、さらに関西方面へ向かう旅客は、新鳥栖で下車して、連絡通路を通って山陽新幹線直通列車に乗り換えなければならない。短い時間で2回も乗り換えが必要というのはいかにも不便な話である。