2020.07.28
# YouTube

今一番成功してる芸人YouTuberは「狩野英孝」と言える深いワケ

石橋貴明・エガちゃんとは違う、その戦略
古田 拓也 プロフィール

狩野英孝の「運営」戦略とは?

狩野氏の得意とするゲーム配信を軸足においた運営は、経営学上では「リアルオプション」的な意思決定であるといえるだろう。

リアルオプションとは、市場の不確実性の高ければ高いほど収益機会の幅が広がるという考え方である。不確実性の高さは、損失可能性の大きさとも比例するが、その市場に段階的に投資をしていれば、仮に失敗しても損失は限定的で済む。この様子を金融商品におけるオプションの買いになぞらえて唱えられている概念がリアルオプションである。

これをYouTuberにあてはめると、トップクラスが数億円〜数十億円の収入を得ている裏で、収益化もおぼつかない者がほとんどである。つまり、YouTuberは非常に不確実性が高い市場であるといえる。この市場に参入するにあたり、いきなり巨額を投資すると収益化にこぎつけられなかった時の損失は甚大なものとなる。そこで、当初は少ない投資で最大の恩恵を得られるように行動することがリアルオプションの考え方では合理的である。

ゲーム配信は、動画と比較して圧倒的に低コストである程度質の担保されたコンテンツを量産であることからも、狩野氏はリアルオプション的なチャンネルの舵取りを行なっていたと評価できる。

 

以上から、狩野氏のチャンネル運営で優れている点は、彼のキャラや人柄だけでなく、「配信というブルーオーシャンでのポジショニング」と、「ゲーム配信という、リアルオプション的運営」ができているという点にもあると考えられる。これらは、先天的なものではなく、私たちの日常生活でも応用が効き、再現可能な概念だろう。

今後は、ライブ配信スタイルに目をつけた芸人の参入も目立つことになるだろうが、その時にはじめて、キャラクターや人柄、面白さといったその人独自の価値が人気度を左右することになるだろう。

そうはいってもやはり、界隈でいち早く配信勢として確固たるポジションを築いただけでなく、天然キャラで面白いと視聴者に認識されている狩野氏の地盤は強固だ。2020年、芸人YouTuber元年の覇者はやはり狩野英孝となってもおかしくないだろう。

SPONSORED