2020.07.28
# YouTube

今一番成功してる芸人YouTuberは「狩野英孝」と言える深いワケ

石橋貴明・エガちゃんとは違う、その戦略
古田 拓也 プロフィール

動画勢 VS 配信勢

現在、多くのお笑い芸人チャンネルはいわゆる「動画勢」となっている。動画勢とは、映像を1本の動画として企画・編集してまとめる運営スタイルだ。エガちゃんねるや、石橋貴明氏の貴ちゃんねるずをはじめとして、ほとんどのお笑い芸人YouTuberが動画勢にあたる。

 

特に、上記のようなトップクラスのお笑い芸人YouTuberは、地上波のテレビ番組にひけをとらない企画・編集が施された動画を仕上げている。このような高クォリティの動画は、芸人ひとりの力で成せるワザではない。テレビ番組の製作や広告代理店等で経験を積んだプロ人材がチャンネルのブレーンとして編集や企画といった幅広い運営業務を支えている例もある。

これと対になる概念が「配信勢」だ。配信勢とは、映像を編集せずに生配信する運営スタイルで、このスタイルをとる芸人YouTuberは現状ごくわずかだ。大きな成果を上げている芸人は現状、狩野氏くらいである。

生配信の優れている点の一つとして、配信者が視聴者のコメントにリアルタイムで反応することが可能な点がある。芸人との関係ではコンテンツの受け手にしかなり得なかった視聴者が、配信では芸人の面白い行動にツッコミを入れたり、そのツッコミを芸人が拾ったりすることで共にコンテンツを作ることができるのだ。そして、この双方向のコミュニケーションが視聴者にもたらす価値は、配信者が普段会えない有名人であるほど高まる。

一見レッドオーシャンにみえる芸人Youtuber界隈であるが、その中でも生配信という立ち位置は芸人の競合が少ない。多くの芸人が動画勢としてユニークな企画を練っているさなか、狩野氏は配信という独自の運営ポジションを見出し、「有名人とコミュニケーションしたい」という視聴者の潜在ニーズを掘り起こすことに成功したといえるだろう。これは「会いに行けるアイドル」という00年代当時、斬新なコンセプトで出発したAKB48と近しい戦略だ。

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