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なぜ「ノストラダムス」は日本人の心をとらえたのか? 大ブームの正体

あぶり出された未来への不安と期待

『ノストラダムスの大予言』シリーズの著者である五島勉氏(1929〜2020)が先月亡くなられた。

ある一定以上の年代に、16世紀フランスの医師・詩人・占星術師のミシェル・ド・ノストラダム(1503〜66)の名を、ちょっとした恐怖感と共に刻みつけた人物である。筆者も中学校の図書館で手にとり、1999年7月に空から降ってくる恐怖の大王が核兵器なのか、小惑星なのかと不安になった1人である。

なぜ、ノストラダムスは日本人の心をとらえたのか。無数にある類書に注目しながら振り返ってみよう。

 

映画化もされた『大予言』

五島氏は、最初からオカルト専門の作家だったわけではない。

『アメリカへの離縁状』(1956)、『サラリーマン研究』(1958)、『東京の貞操』(1958)、『愛のパズル 異性はあなたに何を求めているか』(1971)といったタイトルに伺えるように、時代の流れを追いながら多くの著作を上梓している。

だが、五島氏自身が時代の流れを作ることになったのが、1973年に刊行したシリーズ第1作『ノストラダムスの大予言 迫りくる1999年7の月人類滅亡の日』である。

当時の新聞広告には、「ゲーテも絶賛した“禁断の書”初公開!」「ヒトラーの出現、ケネディの暗殺…歴史的大事件のすべてに的中率99%の大予言者が“人類最後の謎”に挑戦!!」というコピーが踊る。

刊行後、瞬く間にベストセラーになり、わずか3ヵ月後の広告には「戦後15冊目の100万部誕生!」という文言が付け加えられている。