〔PHOTO〕iStock

衝撃…多くの人が全然知らない「荒れる学校統廃合」その驚きの実態

教育委員会は「賛成なき総意」で押し切り…

嘘をつく教育委員会

筆者は前回、広島県福山市教育委員会が進めている大規模な小中学校統廃合(市教委は再編とよぶ)を、「嘘」や「欺瞞」、「虚偽」という言葉を使って説明した。

教育委員会が行う事業にこうした言葉を用いるのはもちろんよいことではない。

が、あえてこういう表現を使ったのは、筆者自身が福山市教委に「嘘をつかれた」と感じており、しかもその嘘を筆者自身が公開の場(講演会など)で広めてしまったという後悔の念があるからだ。

筆者は弁明しなくてはならない。

欺瞞を見抜けなかった筆者の立場を。それとも、福山市教委の「嘘も方便」にこそ理があるのか。

ともかく福山市教委は、筆者から見れば「欺瞞」と思えるやり方で、この6月、ついに住民・保護者の反対を押し切る強引な学校統廃合を敢行しはじめている。

そこでは「住民の総意」を教育長が決定するという暴挙までおこなわれた。

筆者はこのやり方に戦慄を覚える。

〔PHOTO〕iStock
 

ここに筆者が見聞きしたものを提示し、読者の審判を仰ぎたい。

まずは最初に、筆者がつかれた(と考えている)嘘を、丁寧に切り出すことからはじめよう。

今から3年前の2017年8月、筆者は福山市および福山市教育委員会に対してヒアリングを行った。同年10月には福山市教育委員会の室長と首長部局の幹部がわざわざ筆者の勤務する大学を訪れてくださり、3時間も意見交換を行った。

知人も同席の中、筆者はその中で、学校統廃合は丁寧にやらないと地域社会を壊しかねないデリケートなものであること、できる限り統廃合しないですむ方法を考えた方がよいことをお伝えした。

そしてその場で次の点を確認させていただいたのである。

(1)福山市に小中学校の再編計画はあるが、決まってはいない。住民たちとはこれから話し合っていく。

(2)再編の理由は、小規模校の教育に関わる問題である。財政は関係ない。文科省とも関わりはなく、再編計画は市教委独自の判断による。

筆者はその後、ここで確認した(1)(2)を、そのまま現地の講演会などで地域住民に説明していた。ところがである。

(2)の財政問題は、その後の市教委による地域説明会で、統廃合に反対する住民に「財政のことも考えて欲しい」との説明があり、あっさりと裏切られてしまった。

また、文科省とは関係がないという点についても、市教委が住民団体向けの公文書で「文科省の新しい学習指導要領を実施するには再編しか方法はない」との説明を行っていることは前回紹介した。いまや市教委は、文科省の方針に従って仕方なく統廃合を進めていると主張している。

もっともこれらは、「筆者に嘘をついた」というのではなく、とにかく廃校を迫るため、反対する住民たちに言うべきでないことを言っているのだと筆者は理解している。この規模の都市で、財政を理由に学校を廃校化するはずはなく、また文科省の学習指導要領は、学校規模と直接関係はないからである。

では、なぜそんな嘘になる発言をするのかといえばやはり、(1)が重要なのである。