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中国ファーウェイが絶体絶命…イギリス「完全排除」が新冷戦に与える影響

世界はどこへ向かうのか?

ジョンソン英政権は7月14日、次世代通信規格「5G」網整備から中国の通信最大手・華為技術(ファーウェイ)を2027年までに完全排除すると発表した。熾烈化する米中ハイテク覇権争いの下で、イギリスは今年1月には同社の部分参入を認める決定をしたばかりだっただけに、劇的な政策転換と言えるだろう。

今回の決定が、英中関係のリセットにつながることは疑いがない。アメリカと中国がイギリスをめぐって「綱引き」を続けてきたことを思えば、米中「新冷戦」の行方にも影響を与えずにはおかないように見える。

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ポンペイオ米国務長官は21日、早速訪英してジョンソン首相らと会談。「中国からの挑戦に対し原則ある対応を取るイギリス政府を祝福したい」「イギリスは自らの安全保障のために立ち上がる拡大する国家のリストに加わった」などと称賛し、イギリスを対中包囲網に引き入れたい姿勢を露骨に示した。

アメリカはなぜ、イギリスの政策転換にこれほど敏感に反応するのか?

この辺りの事情については、筆者が2月の当コラムで書いた「米中覇権争いの中、イギリスが『大胆な外交戦略』」を描く理由」を読んでいただければと思うが、簡単に言うと、近年のイギリスは経済と安全保障を分離し、中国とアメリカの狭間で国益を最大化する路線を追求しようとしてきたのである。

後で触れるが、今回のイギリスの政策転換はアメリカに力でねじ伏せられた感が強い。このことは、米中覇権争いで各国はどちらの側につくのか、中道を行くことがますます難しくなっていることを示すものだろう。

ただし、筆者は今回の政策転換がファーウェイ問題の最終決着だとは思わない。

イギリスの外交は巧妙であり、そのDNAは「イギリスには永遠の友もなければ、永遠の敵もない。あるのは永遠の国益のみである」(19世紀のパーマストン首相)である。

英中関係が今後どのようにリセットされ、イギリスは米中間でどれほど旗幟を鮮明にするのか。こうした点を判断するのは時期尚早だろう。

そう考える理由を以下に述べたい。