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# 占い

大人気の「しいたけ占い」、なぜ「よく当たる」気がするのか?

優れた占い師は人間心理を熟知している
「食べ放題」はなぜ人気なのか? ホリエモンの毒舌はなぜウケるのか? NewsPicsはなぜ「意識高い系」と揶揄されるのか? ……ヒット&ブームの裏に隠れた大衆心理を解き明かすのは、著書『人は悪魔に熱狂する』を上梓したデータサイエンティスト、松本健太郎氏だ。いまブームを巻き起こしている「しいたけ占い」。これまでの占いと、一体どこが違うのか? 人気の秘密を松本氏が分析する。

「自己肯定感」を高めてくれる

今から15年ほど前、細木数子さんがメインMCを勤める「ズバリ言うわよ!」というTV番組がありました。番組で細木数子さんは「バカ野郎」「地獄に落ちる」「あんた死ぬわよ」などの数々の毒舌を放っていたのが非常に印象的でした。

もしかしたら「叱咤激励されたい」というニーズが一定程度あったのかもしれません。ですがもし今こうした毒舌をTV番組で再現したら、視聴者の反感を買うだけのような気もしますので、時代の変化を実感します。

逆に今大きな注目を集める「占い」と言えば、「VOGUE GIRL」で12星座の週間占いを連載し、女性だけでなく男性からも幅広い人気を得ている「しいたけ」さんの「しいたけ占い」が真っ先にあげられます。

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毎週月曜日に更新される「しいたけ占い」は、ほぼ毎回ソーシャル上でトレンドワード化するので注目されていますが、筆者も毎週欠かさずチェックしています。

しいたけ占いの特徴であり最大の強みは、その独特な言葉遣いにあります。

「『昨日までと違って、今日にしかない発見をする』ことが得意な人でもあるし、それを喜びにできる素敵な人なのです」「大げさな話をしたいわけではなくて、2020年の蟹座は間違いなく『奇跡を起こしていく』という流れになっていきます」といった独特な表現を駆使して不安や苛立ちをうまく言語化し、読者を「肯定」してくれます。

それでいてキツい表現やネガティブな言葉は一切使わず、あくまで優しい言葉で語りかけているところが、これだけ人気を集めている理由ではないでしょうか。

優しい言葉で、読者を全面的に肯定してくれる「しいたけ占い」は、自己肯定感が低い人々にとって、承認欲求を高める格好のツールとなっているように思います。

 

つまり、「しいたけ占い」を読み自己肯定感を高める言葉のシャワーを浴びることで、おそらくカウンセリング的な癒しの効果が発揮されていると考えられますし、だからこそ、ここまで多くの読者が惹きつけられているのだろうと思うのです。

占いが当たったかどうかではなく、「今週も頑張ろう」という気持ちになりたいから「しいたけ占い」は読まれている、ということになります。