夏休みに学校の先生がしている勤務

実際の夏休みの勤務を少しお伝えしましょう。小学校の夏休みは、先生たちが学校に勤務しなくてはならない業務は、大きく分けて3つあります。
まずは「日直」です。順番で回ってくるのですが、8時15分~16時45分まで学校でさまざまな日直の業務をこなします。電話番をしながら、新学期からの教材など、配達荷物を受け取る。工事をしていれば、その現場の見守りがあります。子どもが訪ねて来たら対応します。

もうひとつはプール指導です。大概は7月の終わりから8月5日くらいが前期、8月20日から30日までが後期のプール指導になります。全国の自治体で違いますが、東京都はおおむねこんな日程で、先生たちが分担して行います。

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3つめは夏休み補習教室です。7月の始めと、8月の終わり。大体は、プールの日とかぶせて行います。プールは遅くとも午後2時に終わるので、プール当番の先生がプール指導の後そのまま指導することが多いです。

補修教室の後、他の先生と一緒によく「自主練」をしました。体育館にマットを広げて器械運動の指導研究をやってみたり、教室で交替で社会の模擬授業をしたり。他の先生たちと「ここはもっとこうしたほうがいい」といったヒントももらえます。これらすべて、教育委員会から命じられて行く研修ではありません。主体的な研修です。
つまり、子ども同様、教員にとっても、夏休みはまたとない「主体的な学び」になるのです。コロナで遠出も限られてくるかもしれませんが、自らの学びを大切にしてほしいと思います。

教師に学びのない環境で、子どもたちが「楽しい」と感じられる授業を生み出すことは至難の業です。夏休みは、教師のイノベーションの時間であり、それは回り回って、子どもたちの学校の時間を充実させることにもつながるのです。

夏休みは子どもにとっても大人にとっても貴重な時間だ。貴重な時間を奪って平気でいるのではなく、なぜ奪わなければならないほどになっているのか、休校は3月2日から本当に必要だったのか、休校のためのICT教育は進められていたのか、そして本当に奪わなければ追いつかないことなのか。それらを真剣に考える必要もある。写真は小笠原で森田さんが出会った虹の風景 写真提供/森田太郎

(構成/島沢優子)

森田太郎さん連載「タロー通信 風のとびら」今までの連載はこちら