Photo by iStock
# 自己啓発

なぜ、NewsPicksは「意識高い系」と言われがちなのか?

ピッカー自身にも原因がある?
「食べ放題」はなぜ人気なのか? ホリエモンの毒舌はなぜウケるのか? 「しいたけ占い」はなぜ気分がアガるのか? ……ヒット&ブームの裏に隠れた大衆心理を解き明かすのは、著書『人は悪魔に熱狂する』を上梓したデータサイエンティスト、松本健太郎氏だ。多くの有料会員を抱え、急成長をとげている「NewsPicks」。しかし一方で、「意識高い系」と揶揄されがちでもある。その理由を、松本氏が鋭く分析する。

「意識高い系」が生まれたワケ

2010年代に日本語として定着した言葉の1つに「意識高い系」があります。

Photo by iStock

言葉が生まれたキッカケは2000年代前半に「能力が高く、年齢の割には知識も経験も豊富な、とても優秀な学生」を「意識の高い学生」と呼んでいた経緯から始まります。当時は「意識の高い学生が集まるセミナー」などと銘打った就職活動イベントが多数開催されていました。

やがてmixiやTwitter、Facebookなどのソーシャル系サービスが若者に使われるようになると、「意識の高い学生」だと企業に思われると就職活動に有利だという噂が広まり、多くの学生が「意識の高い学生」の真似を始めていきました。

そのせいもあってか、2008年頃には単に目立ちたがりの学生の言動や行動を指して「意識の高い学生(笑)」と嘲笑する人も現れ、このころから徐々に悪い意味合いも含まれるようになっていきます。

もともと「意識高い系」とは大学生に向けて使う言葉でしたが、彼らが社会人になるにつれてビジネスパーソンや主婦などにもその対象が広がるようになります。2010年代には彼らを総称して「意識高い系」と呼ぶようになりました。

「意識高い系」とは、主に次の特徴を持つ人だと言われています。

(1)自分を過剰に演出するが、「中身が伴っていない」

(2)勉強会を開催し人脈作りに熱心だが、「成果が出ていない」

(3)空回りしているのに、「自己顕示欲が強い」

ただし、自分を「意識高い系」だと捉えている人に、筆者は出会った経験がありません。

おそらく「意識高い系」かどうかは、自分自身の評価ではなく、他人の評価なのです。そもそも「意識高い系」の特徴を見ると、他人が批評できる内容でもなく、あくまで主観です。

他人に向かって「意識高い系だ」と決めつけること自体、本来無理があるともいえます。

2012年に『「意識高い系」という病』(ベスト新書)という本を刊行された常見陽平さんも、2017年に『「意識高い系」の研究』(文春新書)を刊行された古谷経衡さんも、著書の中で「意識高い系」を定義されていますが、言うまでもなく、それらはお二人の考えであり、客観的で統一された基準などありません。

 

そのため実際には「なんとなく気に入らない人」に雰囲気だけで「意識高い系」という烙印を押してしまっているケースが多いのではないか、と感じています。

「意識高い系」と周囲から言われる人たちにも、批判を受けるなんらかの要素があるのだろうと思いますが、明確な定義もなく雰囲気だけで「意識高い系」と決めつけて批判しているとすれば、ある意味「中世の魔女狩り」と一緒だと思います。