コロナ相場のウラで、日本株の「常識」をぶっ壊した「黒幕」のヤバい正体

割安株が売られ、割高株が買われる…
大川 智宏 プロフィール

二極化の「黒幕」

この結果は非常に重要で、流動性を拡大した後に企業間の成長予想の格差が拡大することを示し、世間一般に言われる「金融緩和政策は富の偏在、格差の拡大を助長させる」ことの一つの証明になりうる。また、先行指標としての過剰流動性の変化からグロース・ギャップをある程度予測できるという意味でも有用性は高い。

続いて、このグロース・ギャップとPERの投資効果の推移の比較だ。

図:日本株市場のグロース・ギャップとPER投資効果
日本株市場のグロース・ギャップとPER投資効果 出所:Datastream
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両者は見事に鏡像を描き、逆相関に近い関係性となる。つまり、予想成長率の格差が大きくなればなるほど、割高な銘柄が好まれ、割安な銘柄が敬遠されやすい市場環境になりやすいといえる。

これらを総合して考えると、結論は以下のようになるだろう。

まず、過剰流動性の拡大は、投資家の観点から株式市場への潤沢な投資資金を供給する。それによって、投資対象となる個々の銘柄にも今まで以上に多額の資金が投入されやすい環境が整う。

そして、上場している企業側の観点で流動性の拡大を見れば、資産効果や為替差益、事業投資の資金調達の効果などがラグをもって徐々に表れることで富の偏在と格差の拡大が業績の成長期待として表面化し、銘柄間でのグロース・ギャップが拡大していくことになる。「強く成長し続ける一部の銘柄」と「成長せずに放置される銘柄」の二極化だ。

そしてその際、異常な流動性によってダブついたリスクマネーは、どこに流れ込むだろうか。言うまでもなく、一部の高成長銘柄に買いの資金が一極集中しやすくなり、成長が緩慢な銘柄は必要以上に売られやすくなると考えるのが自然だ。