コロナ相場のウラで、日本株の「常識」をぶっ壊した「黒幕」のヤバい正体

割安株が売られ、割高株が買われる…
大川 智宏 プロフィール

「グラフ」が示す重要な事実

ただし、これだけでは何の説明にもならない。流動性が増大して株式市場に膨大な資金が流れ込むとしても、割高株が選好されて割安株が疎まれる要因が無ければ、両者は一律に押し上げられるだけで投資効果はフラットになるはずだ。

では、なぜ流動性が拡大すると割安株投資の効果が逆となり、モメンタム効果が促進されるのか。それを見るための重要な考え方が、グロース・ギャップである。

ここで、グロース・ギャップとは、「市場内の銘柄間に存在するコンセンサス予想成長の格差の対前年比」と定義する。平たく言えば、株式市場内の各銘柄について、予想成長率が高いものと低いもので銘柄群を分割し、両者の差分を見たものになる。対前年比で見ているのは、業績予想は決算発表などで強い季節性を有するためだ。

具体的には、東証一部上場銘柄のうち、12カ月先の予想成長率が高い順に銘柄を並べ、上位5分の1に該当する銘柄の成長率の値と下位5分の1に該当する銘柄の成長率の値の差がグロース・ギャップとなり、その対前年比を計算している。

図:グロース・ギャップの算出イメージ
グロース・ギャップの算出イメージ 出所:智剣・Oskarグループ
拡大画像表示
 

そして、まずはこのグロース・ギャップと過剰流動性の推移を比較したものが、以下の図である。ここでは、両者の比較を見るために過剰流動性もグロース・ギャップと同様に対前年比に変換している。

図:日本株市場のグロース・ギャップと日本の過剰流動性の推移(対前年比)
日本株市場のグロース・ギャップと日本の過剰流動性の推移(対前年比) 出所:内閣府、Datastream
拡大画像表示

まず事実を述べれば、グロース・ギャップと過剰流動性の動きは全体的に連動しやすいこと、そして特に流動性拡大の局面において過剰流動性がグロース・ギャップの動き先行しやすいことが挙げられる。