甲子園が日本人にとって「特別」なワケ…高校野球「青春」の黒い裏側

煽る新聞社と古臭い高野連が最大の黒幕
広尾 晃 プロフィール

しかし、世間には「高校野球は特別」と信じて疑わないファンが多いのも事実だ。
このコロナ禍で春夏の甲子園がなくなったときに、多くのメディアが高校球児に話を聞いて回った。

ある生徒は「甲子園の代替大会は別になくてもいい。次の目標に取り組みたいから」と正直に語ったが、この言葉が学校名とともに記事になると「そんな気持ちなら野球をやめてしまえ」「高校球児の恥だ」などの苦情が、高校に寄せられたという。メディアはその記事を削除したが、一部にこうした「甲子園至上主義」ともいうべき人々がいるのも事実なのだ。

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テレビの「甲子園大好き芸人」に出演する芸人も「甲子園の汗と涙」を無批判に絶賛する。こうした風潮が「甲子園、高校野球は特別だ」という意識を醸成しているという部分は否定できない。

メディアが煽り続けた高校野球人気

そもそも、「高校野球は特別」という日本人の認識を植え付けたのは、新聞やテレビなどのメディアだ。

高校野球の前身である中等学校野球大会は、大正期に大阪朝日新聞が始めたものだ。アメリカでは野球はリーグ戦で行うスポーツだったが、中等学校野球大会はトーナメント制の大会として始められた。

これが予想以上の人気となり、毎日新聞も追随。さらに中等学校野球の全国大会専門の野球場として阪神甲子園球場が開場し、春と夏の「甲子園」は、「国民の祭典」になった。大阪、東京の地方紙だった朝日と毎日は新聞拡販に「甲子園」を大いに活用し、全国紙にのし上がった。

以来1世紀、高校野球は「青春の汗と涙」のドラマとして定着。他の高校スポーツとは別格の人気を誇ってきたのだ。

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