# 香港

香港人が『カードキャプターさくら』に片想いしてる…ってどういうことだ?

香港アイデンティティと作品の関係
銭 俊華 プロフィール

私たちの子供時代は、香港が「返還」された初期で、中央政府の香港に対する態度と行動はまだ比較的に「不干渉」であった。民主主義的な普通選挙はないが、香港の主体性は残されていた。

普通話の授業は一週間に一回しかなかったし、広州に住んでいるお祖母さんが香港に来るときは、ビザを取るような感じで時間をかけて事前の手続きをしなければならなかった。それに中央政府駐香港連絡弁公室のトップが誰かなんてことは誰も関心がなかったし、自分は何人であるかなんて考えたことも、何人になるべきだと言われたこともなかった。

しかし、2010年代に入り、中国政府とその道具にされてしまった中国大陸の市民によって、香港は同化を迫られ続け、香港人は中国共産党のみならず、大陸の市民との間も葛藤が起きた。そして香港の主体性が失われているということをようやく実感し、目を覚ましたのだ。

『CCさくら』への片思いは、この香港人の中国共産党/大陸市民への不信感、そして香港人としての目覚めと強く結びついているのである。

 

香港の体・中国の魂

2018年の「クリアカード編」における「香港」の表象の受容を見てみると、香港人はそれらの表象から自分の主体性を再び確認し、中国大陸への抵抗感を表していたことがわかる。

前述の「喜愛日本 Like Japan」というFacebookページで投稿された、第13話の編集動画についた859件のコメントを見てみると、「素晴らしい~少なくとも普通話ではない! 香港人は普通話を話すと一部の日本人は思っているから。制作チームのお心遣いだね」とコメントした人がいて、794の「いいね」を得ている(2020年2月26日時点)。

2018年3月6日に同ページは第9話のメイリンの広東語メールのスクリーンショットを投稿し、「さくらの新アニメ 広東語のメール 制作チームによる完璧な演出 シャオランの香港人設定」と書いて、この投稿も2900の「いいね」(同前)を得ている。149件のコメントの中に、「シャオラン:俺は本当の香港人だ」というものがあり、これも約300の「いいね」を獲得した。