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香港人が『カードキャプターさくら』に片想いしてる…ってどういうことだ?

香港アイデンティティと作品の関係
銭 俊華 プロフィール

2分足らずのシーンであるが、わざわざ香港の地元らしい広東語のメール(繁体字と広東語の仮借を組み合わせ、普段の話し言葉としての広東語をそのまま入力したもの)を作り、また香港人(特に若い世代)がわりと英語をしゃべれるという社会背景が描かれていたことに、香港人ファンはFacebookで嬉しさと『CCさくら』への感謝の気持ちを表した。

 

片思いする香港人

しかし、実はメイリンからのメール「出嚟約會、就要做好我嘅護花使者啦、唔好咁怕丑」は、「我」の使い方がおかしく、奇妙な文章である。訳すと「デートなんだから、ちゃんと私のエスコートすること! 照れてばっかりいないで!」となる。

つまりシャオランはあたかもメイリンとデートするかのような内容になってしまうのだ。「丑」という簡体字も、繁体字を使う香港の若者はほとんど使わない文字である。Facebookでそれらのミスに気づいた人も少なくなかったが、それでも皆気にせず喜んでいた。

第13話「さくらとただいま苺鈴」もいっそう多くの香港人を喜ばせた。このエピソードでは、メイリンが再び香港から日本に来ており、広東語のメールが登場し、広東語のセリフもある。

「喜愛日本 Like Japan」という日本の大衆文化や観光情報を紹介するFacebookページは、2018年4月11日にそれらのシーンを編集して1分間程度の動画を投稿した。その投稿には8700もの「いいね」がついている。この回も「広東語のメール」のみならず、「広東語のセリフ」まであるため、激賞と興奮を伝えるコメントが殺到した。

「喜愛日本」の投稿

ちなみに、この第13話にも、いくつか言葉の使い方にやや違和感を抱く部分がある。まず、メイリンはシャオランに再会する時に「你好啊小狼」と挨拶するが、親友のような従兄に「你好啊」と言うのは不自然だ。日本語で言えば、親友に突然「初めまして」と言うようなものである。

また、メイリンはさくらの家に泊まることになるが、夜になって、メイリンのもとにシャオランから「有冇麻煩到你? 會唔會好怪?」という広東語のメールが届く。日本語の字幕は「迷惑かけてないか? 変わったことはないか?」となっているが、メールの文を訳すと、「君に迷惑をかけた? 変じゃない?」となる。広東語が間違っている。