19歳でホテル開業、原点にアメリカ横断と「一流になれ」という親の教え

なぜ泊まるだけではないホテルを作ったのか
現代ビジネス編集部

やりたいことを実現するには

――自分のアイデア、思いついたサービスはどのように実現していけばいいのでしょうか。

龍崎:マーケットを徹底的にリサーチしてニーズに合わせてサービスをつくる人もいる一方で、私は自分が欲しいものや困っていることを掘り下げて考えるタイプです。リサーチありきでは、周りの人に迎合してしまい、誰のためのサービスかわからなくなると考えています。これがあったら自分はお金を出すというサービスを考えて、他の人もお金を出したいと思えるまでブラッシュアップし続けることが大事です。

――メンバーからは「経営者」としての龍崎さんに対する関心が強いようです。「早く起業されていますが、資金はどうしていたんですか?」といったコメントも。たとえば、事業計画を練る上では何を考えることが必要ですか?

龍崎:事業計画書は黒字になることを説得できればいいですが、リスクマネジメント――リスクについて合理的に大丈夫だと言えるかどうか――も大切です。私は元々あったペンションを居抜きで利用したので、売り上げは前年と同じくらい見込めましたし、何年で投資回収できるということも金融機関などに伝えやすかったです。

――リスクばかり気にしていると夢を描きづらいという意見もありそうですが……。

龍崎:私はそう思いません。リスクを考えない場合、うまくいったときは問題ないですが、状況が悪くなったときに一気にダメになります。だから、リスクを客観的・定量的に評価することは重要です。

 

――今日は幼少期の頃のエピソードから人生の軸となるキーワードまで、お話しいただきありがとうございました。最後にInspire Highのメンバーである中高生に向けてメッセージをお願いします。

龍崎:「やりたいことがわからない」「やりたいがことあるけど踏み出せない」とよく言われます。中高生には、社会が決めた「こうあるべき」という枠の中に押し込まれて、何をしたいのかわからなくなっている人もいるかもしれません。でも、その枠から出て、人と違うことにチャレンジし、友達と違う人間になってほしいです。周りの期待をいい意味で裏切ることで、自分が本当に何をしたいのかが見えてくると思うからです。もちろん、まずは自分の生活を楽しむことが一番。その上で、一つひとつの選択とその思考プロセスについて意識的になることで、自己理解を深め、やりたいことを実現してほしいと思います。

Inspire High(インスパイア・ハイ)は、クリエイティブな大人たちと答えのない問いに向き合う、13〜19歳のためのオンラインスクールです。隔週日曜日に無料で開催されるライブ配信セッションを通して、普段ふれあう機会の少ないアーティストや起業家、研究者などクリエイティブに生きる大人たちと、答えのない問いについて考え、共有しあいます。90分のライブ配信では、ガイドと視聴者がコメントやアウトプットの時間を通じて、インタラクティブにコミュニケーションを取りながら、その生き方に触れることができます。URL:https://www.inspirehigh.com/
龍崎翔子(りゅうざき しょうこ)
1996年生まれ。2015年にL&G GLOBAL BUSINESS Inc.を設立し、「ソーシャルホテル」をコンセプトにしたホテル「petit-hotel #MELON」をスタート。2016年に「HOTEL SHE, KYOTO」、2017年に「HOTEL SHE, OSAKA」を開業したほか、「THE RYOKAN TOKYO」「HOTEL KUMOI」の運営も手がける。今年はホテル予約システムのための新会社CHILLNNを本格始動。ホテル宿泊券の販売サービス「未来に泊まれる宿泊券」や、新型コロナウイルスによって稼働率の下がったホテルと自宅が安全ではない人々をマッチングする予約プラットフォーム「ホテルシェルター」、オウンドメディア「HOTEL SOMEWHERE」などの事業を始めたばかり。4月5日から全ホテルを休業していたが、5月30日より全施設の運営を順次再開。