19歳でホテル開業、原点にアメリカ横断と「一流になれ」という親の教え

なぜ泊まるだけではないホテルを作ったのか
現代ビジネス編集部

10歳でホテル経営を志した

――龍崎さんは19歳でホテルを創業されました。原体験は何だったのでしょうか?

龍崎:8歳のとき、家族でアメリカ旅行をしたことです。父の仕事の関係で1年ほどアメリカにいたのですが、帰国前の1ヵ月ほど東海岸から西海岸へと横断ドライブをしました。毎日同じようなモーテルなどに宿泊していましたが、ラスベガスに行ったときのこと。フラミンゴやサーカスや古代エジプトをコンセプトにしているようなユニークな世界観を持ったホテル群に出会いました。そこで、泊まるだけではないホテルの演出の仕方があるんじゃないかと思うようになりました。

――その後、10歳でホテル経営を志すようになりました。

龍崎:『ズッコケ三人組ハワイに行く』という本を読んだことがきっかけです。その中に、ハワイで暮らすホテル経営者の日系人のおじさんが登場するんです。その人の登場シーンを読んだあとに、自分はホテル経営をするぞと思い立ちました。子ども時代はどうしても自分の視野の範囲でしか仕事を認識せず、ホテルであればフロントなどの職業しか見えません。でも、本を読んでホテルを経営する人がいると知り、自分がやりたい仕事を認識できたんです。

 

――そして時が経ち、18歳で東大に入学しました。

龍崎:入学後、すぐ現実に直面しました。ホテルをつくるのに何をすればいいのかまったくわからなかったんです。それでも何かしなきゃと、貿易の仕事やドラッグストアでインバウンドのコンサルを経験しました。ただ、なかなかうまくいかず……あれ、何がしたかったんだろう、ホテル経営とか無理だなと思うようになって。

――そこから何があったのでしょうか?

龍崎:ターニングポイントはその年に、Airbnbが日本上陸したことです。それまではホテルを始めるとなると、大きな箱や設備を作らないといけないと思っていました。だから18歳の自分にはどうしようもできなかった。でもAirbnbの登場によって、部屋とベッド1つあればホテルとして成立しうると知り、ハード的なホテルの価値からソフト的なホテルの価値へと目を向けることができたんです。

ただ、Airbnbはあまり効率がよくないことに加えて、旅館業法に抵触しているのではないかとも指摘されていたので、ある程度効率よく、法律もクリアしている領域で事業を始めようと考えました。そこで、縁も所縁もなかった北海道の富良野に行き、廃業するペンションを引き継ぎました。19歳のときのことです。