俳優・大野拓朗が「日本の芸能界から離れて、NY留学を決めた」理由

コロナ禍、BLM運動、身近な人の死…
大野 拓朗 プロフィール

「BLACK LIVES MATTER」運動に参加して

そして、そんな中で起こったのが「BLACK LIVES MATTER」デモ。日本生まれ日本育ち、海外も数回旅行や仕事で行っただけの僕には、人種差別という概念がどこか他人事のように感じていました。何度も聞いたことはあるけれど、実感が湧いていませんでした。

しかし、語学学校の先生たちから黒人差別の歴史を教えてもらったり、自分自身でもいろいろ調べてみると、ふつふつと怒りが沸き起こり、いても立ってもいられずにデモ活動に参加しました。

なぜこの時代に人種差別があるのか。しかも世界の最先進国であるアメリカで。多種多様な人たちの集まる自由の国アメリカで。

いまだに差別地域が残る場所もあると聞きました。「RED LINING(特定警戒地区指定)」と呼ばれ(日本語でも赤線地帯という言葉がありますよね。意味は少し違うけれど、同じ言葉でびっくりしました)、その地域は主に低所得層である黒人の方々が住んでおり、彼らは銀行からの融資を受けられないそう。そして他地域に出て働くことも許されない。

アメリカ人にとって、富を掴むために大切なことは、良い大学を出ること、そして家を買うことだそうです。しかし、この赤線地帯に住んでいる人たちはローンを組めないために家を買うことができません。

すると納める税金の額も少ないため、その地域は貧困のまま。それによって学校では低賃金により教師の質が低く、少ない教室には生徒が溢れ、十分な教育を受けることができません。今では法律でこの融資差別は禁止されているようですが、まだまだ根強く残っている地域がたくさんあります。

 

そんな状況の中でも、一生懸命勉強をして、良い大学に入ろうと努力をする人はもちろんいます。しかし、黒人を一切受け入れない大学もあるとか。バスに乗ってもいけない、電車に乗ってもいけない。それが見つかると警察に捕まります。そんな地域もあります。

そしてコロナ禍でも表面化した多くの差別。黒人は病院で診察も受けられない。処方もしてもらえない。白人が優先。そんな状況が今自分のいる目と鼻の先で起こっていることに強い憤りを感じました。他人事ではないなと。