俳優・大野拓朗が「日本の芸能界から離れて、NY留学を決めた」理由

コロナ禍、BLM運動、身近な人の死…
大野 拓朗 プロフィール

身近な人の死が続いた

でもその反面、矛盾するかもしれませんが、俳優は辞めたくないという気持ちがありました。

「歳をとって、撮影が終了して、その翌日に倒れて亡くなる」とか、「一生涯役者を続ける」ことが役者を始めた頃からの思いだったので、それを頑なに貫き通そうとしている部分もあるのかもしれません。

ですがやはり、お芝居をしている時には何にも変えがたい楽しさがあります。自分にとっての生きがいであり、生きている喜びを一番実感できる瞬間でした。

さらに、たくさんの人が応援してくれている。それは仕事関係の人たちもそうだし、ファンの方々もそう。この仕事をきっかけにして出会った大好きな人たちがたくさんいます。その人たちにとっての自慢の存在になりたい。だから、役者の仕事を嫌いにはなりたくなくて、辞めることにはなりたくなくて、一度距離を置いて冷却期間を設けたいと思ったことが、これらの行動のきっかけです。なんだか恋愛みたいですね(笑)。

あとは、近年身近な人の死が続いたことも大きいです。今まで、死はどこか自分とは遠いところにあるものだと思っていたのが、かなり近くに感じるようになりました。30歳になって、自分の人生についてもしっかり考えるようになりました。

人生一度きりということを強く実感し始めて、いつ死ぬことになっても後悔しない生き方をしたいと思うようになりました。歳を重ねるにつれ、たくさんの経験や人との出会いによって自分の思考が大きく変わったように思います。