俳優・大野拓朗が「日本の芸能界から離れて、NY留学を決めた」理由

コロナ禍、BLM運動、身近な人の死…
ドラマ『わろてんか』『ベビーシッター・ギン』などで知られる、俳優の大野拓朗。昨年8月に所属事務所を退社し、その後に単身渡米。7ヵ月のニューヨーク留学を経て、一人の俳優として独立した彼が、いま伝えたいことーー。

何のために俳優をしているのか

初めまして。俳優の大野拓朗です。

前事務所を退所して新たなスタート、自分のさらなる成長と大きな挑戦への第一歩としてアメリカへ渡り、先日7ヵ月ぶりに帰国。その経験を皆さんにお伝えするべく、筆を執らせていただくことになりました。

ニューヨークに留学をしていたのは、2019年12月7日から2020年7月7日までのちょうど7ヵ月間。初めてのニューヨーク、初めての語学留学、憧れのブロードウェイに胸を躍らせて渡った「自由の国」。

そんな中で留学期間の半分以上がコロナ禍、さらに黒人差別への抗議デモ「BLACK LIVES MATTER」勃発と、想像をはるかに超える出来事と遭遇し、とても濃く太い経験をすることになりました。

 

まずはそもそものお話をさせていただきます。なぜこのような挑戦をしようと思ったのか。

実は、ここ数年ずっとモヤモヤしていました。このまま日本で俳優を続けていれば、きっと、安定して仕事をいただけていたかもしれません(手前味噌ですが)。

でも、このまま続けていたら絶対に将来、俳優を辞める時が来るなと何か確信めいたものを感じていて。何のために俳優をしているのか、何のためにお芝居をしているのかが分からなくなっていたのです。

楽しくはあるのだけど、醜い部分が多くて。醜さがあるのはどの世界でも当たり前のことだと思いますが、エンターテイメントの世界では人間的な醜さをことさらに強く感じて。息苦しくなり、それが楽しいを凌駕してしまった結果、この仕事に固執する必要はないのかなと感じてしまいました。