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蕎麦業界にも二郎ブームが…?超大盛り「冷たい肉そば」大流行のワケ

立ち食い、高級店に次ぐ“第三極”出現

火付け役となった「港屋」

日本そばと言えば、冷水でキリッと冷えた細い蕎麦を、鰹出汁の香る濃いめの汁にサッと付けて、勢いよくズズッと啜る……落語の時そばではないが、そのようなざるそばをイメージされる方は多いのではないだろうか。

日本酒を飲んだ後に少ない蕎麦で〆るような、こだわりの手打ちそば店は高級路線が多い反面、立ち食いそばは未だ低価格帯が主流とあって、蕎麦界は2つに大分されている印象を覚える。

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しかし2000年以降、そこに第三極ともなりうる勢力が台頭してきた。日本一行列のできる立ち食いそば店と言われた「港屋」を起因とする太麺ガッツリ系蕎麦店だ。

港屋は東京虎ノ門に2002年7月開業。決して広いとは言えない店舗で、立ち食いスタイルというのは既存店と変わらなかったが、看板がなく小さな表札のみで一見して飲食店とは分からない佇まいに、ラー油の入った汁に硬い太麺をつけて食べるつけ麺スタイルでボリューミーなのが、ランチタイムのサラリーマンを中心にウケた。

通常の『もり』は600円だったが、汁に大量のネギと茹で豚肉が乗る港屋の代名詞となった『冷たい肉そば』は870円と、立ち食い店としては破格だったにもかかわらず、いつしか行列の絶えない人気店となった。

この港屋が話題になると、今度はこのスタイルを模倣した店舗が出てき始めた。「そば 俺のだし」や「なぜ蕎麦にラー油を入れるのか。」など、太麺でインパクトがあるという点で二郎系ラーメン店が増殖した時期とも重なり、港屋インスパイア系と呼ばれた。

港屋自身は2019年2月に閉店したものの、すぐ翌月には大手町に「港屋2」、12月にはメルセデス・ベンツとの共演で六本木に「Minatoya 3」となって復活し、現在に至っている。