7月23日 関東地方で280万戸規模の大停電(1987年)

科学 今日はこんな日

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"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1987年の今日、東京、千葉、埼玉、神奈川、静岡、山梨の一都五県にまたがり280万件規模の大停電が発生しました。これは、台風や地震などの自然災害が原因ではない停電としては日本では最大規模のものでした。

その日は最高気温が東京都心では36度、八王子や前橋では39度に至り、観測史上類を見ないような猛暑でした。当時の新聞にも、「炎熱列島」と書かれるほどだったといいます。

気象庁の用語で「猛暑日」といったときには、1日の最高気温が35度以上の日を指す Image by ブルーバックス編集部

そのため、関東地方のあらゆる建物で冷房が使われ、その需要は昼ごろにかけて非常に大きなものになります。従来では考えられなかったほどの急激な需要の伸びに、発電の基幹系統が対応できなくなってしまったのです。

最終的には、午後1時過ぎに複数の送電線が電流の増加具合を異常とみなし、ストッパーが発動して電力供給が止まり、停電が起きたのです。この停電は東京電力管内で発生したものですが、当時の東電全体の供給量の2割以上がストップしてしまいました。

この停電では信号機も点灯しなくなり、近所の警察官が発電機を回して手動で電力を供給したという Photo by iStock

この停電の前後も、2006年のクレーン船と電線の接触による停電などいくつかの停電事故がありましたが、これと同規模のものはありませんでした。さらに特筆すべきは、これほどの規模の停電にもかかわらず、電力系統に故障はなかったということです。

 

当時はバブル景気の真っただ中で、日本で節電意識をもっている人などほとんどいないような時代でした。そのため日本中で冷房がフル稼働し、電力需要が想定を遥かに上回りました。

京都議定書や東日本大震災以降はクールビズが叫ばれ、冷房の温度設定に気を配る人も増えましたが、そんなこと思いもよらなかったのです。

なお、東電をはじめとした電力会社はその後、電圧制御の方法を変えたり、蓄電施設や揚水発電を拡充したりする対策を講じました。しかし、技術の進歩によって停電を防ぐことも大切ですが、自然環境を守っていくために一人ひとりがしっかりと節電の意識をもって行動していくことも重要です。