三浦春馬さんが生前に語った、「やりたいことは絶対にやる」プロ意識

代表作で振り返る、俳優としての意地
横川 良明 プロフィール

他に『罪と罰』(2019年)も素晴らしかったです。原作は、ドストエフスキーの同名小説。決して簡単な作品ではありませんでしたが、『地獄のオルフェウス』(2015年)でもタッグを組んだイギリス人演出家フィリップ・ブリーンのもと、罪を犯したラスコリニコフの苦悩を自分のものとするような演技を三浦さんは見せてくれました。

カット割りも編集もない舞台は、常に全身を観客の視線にさらされます。俳優にとっては、苛酷であると同時に、何にも代えがたい喜びを味わえる場所。三浦さんがあんなにも舞台を愛し、舞台に愛されていたのは、彼自身が何よりもまっすぐな人だったからのように思えてなりません。

すっと伸びた背筋はもちろんのこと、精魂尽き果ててしまいそうな感情の極地にもためらうことなく飛び込んでいく。その掛け値なしのまっすぐさに、多くの観客も喝采を送っていたように思います。

2013年 台湾でのイベントにて[Photo by gettyimages]
 

悲しみに暮れるファンの方へ

残念ながら、30代、40代と年齢を重ねていく三浦さんの姿を拝見することは叶いません。今回の報道に傷つき、心が潰えてしまいそうになっているファンの方も多いかと思います。どうかそんな方はまず心の休められる場所を見つけてください。

そしていつか落ち着いた気持ちでまた三浦さんのお芝居と向き合える日が来たら、ぜひたくさんの作品の中で輝く彼の姿を見てほしいなと思います。ここには書ききれないほど多くの作品に出演し、ひとつひとつの役に誇りと情熱をもって取り組んだ三浦さん。その眩しいきらめきはどれだけ時間が経っても色褪せることはありません。

三浦春馬さんの残したその功績に心から敬意を捧げるとともに、いつまでも多くの人の心の中で彼が生き続けていくことを願っています。