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三浦春馬さんが生前に語った、「やりたいことは絶対にやる」プロ意識

代表作で振り返る、俳優としての意地

自分の意志を貫く役者魂

三浦さんには二度ほどインタビューをさせていただきました。とは言え、取材という公の場。しかもほんの数十分という短い時間、お話をさせていただいただけの立場から、ご本人の人柄を断定したり胸中を推し量るようなことは、とてもではないですが書けません。

ただその上で、そのときに感じたことを少しお話しさせていただくとしたら、三浦さんはとても聡明な方でした。

「仕事をする上で絶対に守りたいものは何ですか」――そんな私の質問に対する、三浦さんの回答は「やりたいことは絶対にカタチにする」こと。この答えひとつとっても、三浦さんの妥協のない姿勢がうかがえたのですが、驚いたのはむしろそのあと。

こうした仕事論は得てして抽象的な内容に終始しがちです。けれど、三浦さんは自分の信念をよりわかりやすく伝えられるよう、こんなエピソードを話してくれました。

2015年 映画『進撃の巨人』のイベントにて[Photo by gettyimages]
 

それが、映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』(2018年)で演じた伊東鴨太郎のスカーフの話。鴨太郎が身を置く武装警察・真選組は首に巻いた白いスカーフがトレードマーク。原作漫画から変わらない「定番」のスタイルです。

しかし、三浦さんはそんな「定番」に疑問を持ちました。なぜスカーフをしているのか。何か意味合いを持たせられないか。そう考えて生まれたのが、人を斬ったあとにこのスカーフで刀の血を拭くという三浦さんオリジナルのアイデア。

次の日にはまさに鴨太郎が人を斬るシーンの撮影が控えており、今から新しいアイデアを試すには、監督はもちろん衣装スタッフなど関係者の承諾が必要です。中には空気を読んで遠慮する人もいるかもしれません。けれど、「やりたいことは絶対にカタチにする」が信条の三浦さんは急いで直談判し、自らのアイデアを実現したそうです。