ノミによる被害

最後にノミの話をしておく。
ノミは1年中どこかに潜んであなたのペットを狙っている。
実はノミは動物の体にくっつきっぱなしではなく、ライフサイクルのうち7割以上を動物の体以外の場所で過ごしていると言われている。一度あなたのペットがノミを体にくっつけて家に帰ってきたら、そのノミはあなたの家のソファーやベッドの下で、卵を産み、数を増やし、あなたやあなたのペット、そして小さな子供などに健康被害を及ぼす可能性がある。

そして一度家の中に入ってしまえば、冬の寒さなど関係なくなるので、年中繁殖を続けることができる。このことから、ノミ・マダニの予防はできれば通年行うことをお勧めしたい。

またノミは瓜実条虫(いわゆるサナダムシ)というお腹の中に寄生する虫を媒介することがある。ほとんどの野良猫はノミを体にくっつけて暮らしているが、そのノミによって瓜実条虫にも感染している可能性が高い。外に行く猫や、家から脱走してしまって帰ってきた猫には、念のためノミだけでなくそれらの内部寄生虫も落とせるような駆虫薬を使うことをお勧めする。

ちなみに、猫のおしりの周りや便の中で動く米粒のような白いものを見つけた場合は瓜実状虫を疑った方が良い。その場合もすぐに動物病院へ行くべきだが、その際その動く白い米粒も病院に持っていくと良いだろう。

使えるものなんでも使って掻いている猫の写真はユーモラスで可愛い。この写真の猫はわからないが、痒がっているあなたのペットに、もしかしたらノミやダニがいるのかもしれない Photo by iStock

今回は外部寄生虫性の病気を取り上げた。

これから夏本番、昆虫たちが元気になる季節である。最近ではフィラリアとノミ・マダニ予防を全て1粒でできる薬も出てきている。毎年フィラリア症の予防だけしている方も、今年からノミ・マダニの予防も始めてみてはいかがだろうか。

また、猫は完全室内飼育の場合、虫の予防をしていないことも多い。しかしノミなどは人や同居の犬にくっついて家に入ってくることも多い。万が一愛猫が脱走してしまった場合は、予防をしていないといろいろな病気に感染するリスクがある。夏になると窓を開けることも多くなるが、なにかの拍子に網戸ごと外れてしまい、猫が驚いて逃げてしまって見つかるまでに1週間かかった、という話もつい先日聞いたばかりだ。
この機会に、是非一度愛犬・愛猫の虫対策について、考えてみて欲しい。

犬も猫も人間も。それぞれが予防に注意することで、一緒に快適に暮らすことができる Photo by iStock