マスクに消毒が肌を痛めつける。コロナ禍の地獄

自粛が解けても外出時にはマスク必須、あらゆるシーンで消毒マストな「ウイズコロナの新生活様式」は、アトピー持ちの私にとっては“新たな地獄”というしかない。

蒸し暑い戸外でのマスク装着は「暑い」「息苦しい」のはもちろんのこと、滝汗状態のマスクの中で頬の皮膚が蒸れて猛烈なかゆみに襲われる。

「マスクの表面を手で触ってはいけません」。そんなことは百も承知だけれど、かゆくてかゆくて仕方がなく、数分に1度はマスクの上から強引にゴシゴシ顔をこすって、なんとかマスクを引きちぎって放り投げるのを我慢している。

マスクのゴムをかける耳の付け根は荒れてガサガサになり、アトピー特有の「耳切れ」が始まろうとしているし、これまでのマスク生活で症状が悪化してしまった顔の皮膚は、もはや市販の不織布マスクを受け付けず、顔にあたる内側が洗い倒してくったくたに柔らかくなった綿ガーゼのマスクでないと、数分たりともつけていられない。

気温上昇とともに、マスクの肌への負担を感じる人が増加している(写真はイメージです)photo/Getty Images

また、スーパーやお店などの入り口に置いてあるアルコール消毒は、アトピー症状のある手指に付けるたびにピリピリとした痛みに襲われるし、アルコールが肌を瞬時に乾燥させるためか皮膚が白くカサカサになって剥がれ落ち、どんどん症状が悪化しているのがわかる。

それでも、みんながちゃんと消毒しているのに自分だけスルーするわけにもいかず、内心ため息をつきながら、プシュっと消毒容器のノズルを押し、痛みで涙目になりながらボロボロの手にアルコールをすり込んでいる。

しかし、悩んでいるのは私だけではないようだ。ネットにも「マスク皮膚炎」なる話題を目にすることも多いし、ママ友間の「我が子のアトピーVSコロナ」の情報交換もさかんに行われている

こうした切実な悩み、一体どうすればいいのか……。最近アトピー界隈で大注目の『世界最高のエビデンスで優しく伝える 最新医学で一番正しいアトピーの治し方』なる本の著者、京都大学医学部特定准教授・皮膚科専門医の大塚篤司先生に話をうかがってみることにした。

「アトピー」という病名が世間に広まる以前から、アトピーをやっている私も、この本で目からウロコがボロボロと落ちた。最新のケア法や正しい知識を得ただけでなく、なによりこの本で精神的に「楽になった」。長年抱えていたアトピーの精神的ストレスから、私を開放してくれた効き目のあるお薬的な1冊である。

また、Twitter上やYoutubeでの大塚先生の発言は、有用な情報が非常に多いにもかかわらず、いわゆるお医者さんの上から目線的なものでなく、医師の指導をちゃんと守れない、ついケアをサボってしまう私のような患者やアトピーの子供の親にも寄り添う優しさがある。また、SNSを通して根拠ある情報を発信するプロジェクト「SNS医療のカタチ(@SNS41010441)」の代表も務めている。

「この先生なら『マスクが辛い』という本音を思い切りぶちまけても叱られないだろう」という勝手な思い込みを抱きつつ、リモート取材はスタートした。