男女平等になるほど、男と女の「性差」は拡大する…驚きの研究結果

日本の男女はどうなのか…?

国別では、もっとも性差が大きかったのがオランダ(1.17)、ノルウェー(1.13)、スウェーデン(1.11)、カナダ(1.07)、イギリス(1.06)で、逆にもっとも性差が小さかったのが中国(0.47)、マレーシア(0.58)、日本(0.59)、韓国(0.59)、インド(0.70)となった。ジェンダーギャップの大きな社会で暮らす日本人は、欧米人より男女のパーソナリティ(性格)が似ていることになる。

同じく2018年、ドイツの経済学者アーミン・フォークらが2012年に実施された「国際選好調査」の結果を分析した。この調査は76カ国の「利他性」「信用」「(報酬をともなう)ポジティブな互酬」「(罰をともなう)ネガティブな互酬」「リスクテイク」「忍耐力(時間割引率)」の選好を調べたものだ*5

その結果は、女性は男性より利他性、信頼、ポジティブな互酬を好み、ネガティブな互酬を避けた。その一方で男性は女性よりリスクを取り、大きな報酬を期待した。

こうした性差は、経済的に発展し、より平等な社会政策を採用する国で拡大した。その相関関係は利他性+0.51、信頼+0.41、ポジティブな互酬+0.13、ネガティブな互酬+0.40、リスクテイク+0.34、忍耐力+0.43となり、平等が性差を拡大することが裏づけられた。

これを受けて著者たちは、「これらの発見は、経済的に発展しジェンダーが平等であることは、選好におけるジェンダーの差の独立した大きな要因であることを示した」と結論した。

 

社会に縛られなくて済む

男女が平等な社会になればなるほど男女の性差が拡大する。なぜこんな不思議なことが起きるのだろうか。

これについて研究者たちは、「伝統的な社会では、ひとびとは性差を個人の気質ではなく社会的強制と考えるのではないか」「経済的にゆたかになると身長の性差が拡大するように、パーソナリティの性差も拡大するのではないか」などの仮説を提示しているが、もっとも説得力があるのは、「ひとびとが自由に生きられるようになると、男と女の生得的なちがいが顕在化する」だろう。

編集部からのお知らせ!

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/