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男女平等になるほど、男と女の「性差」は拡大する…驚きの研究結果

日本の男女はどうなのか…?

男女平等の社会になれば、男性と女性の「違い」は段々となくなっていくはずだ——そう考える人は少なくないだろうが、じつはそうした想像とはまったく逆の結果を示す研究が多数発表されている。『女と男 なぜわかりあえないのか』(文春新書)を刊行した橘玲氏が解説する。

ジェンダーギャップ、世界最底辺の日本

両性生殖のすべての生物と同様に、人間の男と女も生殖機能に明らかなちがいがある。この生物学的な性差が人間社会にどのような影響を与えているかについては、これまで多くの議論がなされてきた。

安倍政権が「女性が活躍する社会」を掲げて7年以上たつが、その間、社会的な性差を示すジェンダーギャップ指数で日本の順位は下がりつづけ、2020年の数字でも153カ国中121位と世界最底辺に沈んだままだ。

その理由は「政治」と「経済」における男女の格差が極端に大きいことで、国会や地方議会に女性議員がほとんどいないのはもちろん、「社会貢献」を掲げる企業や「リベラル」を自称するメディアですら、社長・役員など経営幹部を「日本人・男・シニア・特定大学卒」というきわめて多様性のない層が独占している。

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なぜこんな悲惨なことになるかというと、日本は「近代のふりをした身分制社会」で、身分制の上位にいる既得権層が権力にしがみついているからだが、その話はここでは置いておこう。

日本のようなジェンダーギャップが極端に大きな社会は、より男女平等な社会を目指さなければならない。これはもちろんそのとおりだが、この理想が実現すれば、男女の社会的な性差はなくなるだろうか?

なにをバカなこといっているのか、と思われるかもしれないが、じつはこれまでの研究では、「男女平等の社会になるほど性差は拡大する」という奇妙な結果が出ているのだ。